デジタコの基本的な操作方法・デジタコは監視?ドライバーにとってデジタコのメリットとは
デジタコはいったい何のために装着しなくてはならないのか?その疑問に答えつつ、デジタコの基本的な操作方法などについてを、できるだけわかりやすくご説明しています。また、デジタコの種類についても触れていきます。
デジタコをつけるのは何のため?
輸送用トラックに装着しているデジタコをご存知でしょうか?実際に使われた事がある方も多いと思うのですが、今回はデジタコの基礎知識やどのように操作すれば良いのか、基本的な操作の方法についてをご紹介いたします。
デジタコとは
まずはデジタコとは何かを簡単にご説明いたします。デジタコというのは「デジタルタコグラフ」といって、運行状況を記録する装置です。
走行時間から走行速度などの運行記録を自動で記録します。もちろん最初のセッティングは人がやらなくてはなりません。
従来は記録用紙を使っていたため、ドライバーがついセットし忘れてしまったりという話もありますが、最近ではデジタル化された事もあって、スイッチ一つで簡単に操作ができるようになりました。
デジタコで記録できるもの
次にデジタコで記録できるものについて説明いたしましょう。デジタコは「輸送時間」「輸送距離」「速度」を記録していく装置です。
一日の動きを明確にするために利用する装置なのですが、記録できるのはこの3つだけではありません。他にも急ハンドル、急発進、急ブレーキなどの運転の状況もつぶさに記録します。
中にはドアを何回開け閉めしたのかや、エンジンの回転数、GPSと連動しているタイプまであり、事業所の業務内容に合ったデジタコを選べるようになっています。
運用管理記録の装着義務
なぜデジタコを装着しなくてはならないのか?しなくても良いのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、法律で義務化されているので最大積載量4t以上、車両総重量7t以上のトラックには必ず装着しなくてはなりません。
平成26年12月1日に改正された『貨物自動車運送事業輸送安全規則』で義務付けられていますので、必ずデジタコの装着をしなくてはなりません。
違反した場合には厳しい罰則を受ける事になるので、まだ装着していないトラックがあったら早く装着しましょう。
デジタコの基本的な操作方法
ここではデジタコの基本的な操作方法についてをわかりやすくご説明いたします。
デジタコの種類によって操作方法は違う
デジタコの種類は一つではありません。機種によっては操作方法が違うので簡単に説明すると、
デジタコの画面上で操作するタッチパネル式もあれば、デジタコ本体の上下左右のどこかにボタンがついていて、そのボタンで操作するタイプもあります。
他にもリモコンがついていて、リモコンで簡単に操作できるデジタコもあります。また、デジタコの種類によって記録できるものも違うので、事業所で必要なデータを収集できるタイプのデジタコを購入すると良いでしょう。
運転手の登録
デジタコの機種によっては、朝作業を行う時に運転手の情報を確認するタイプのものがあります。もちろん運転手の情報を入力せず作業を記録するだけのものもありますが、中には運転手の免許の確認ができるタイプもあります。
また、近年では業務中に何らかのトラブルが起こったり、事故などが起こったりした時に何が起こったのかを記録する、ドライブレコーダーを内蔵した一体型デジタコも販売されています。
このように単機能のものもあればユーザーの声に応えた多機能のタイプもあるのです。
作業内容をボタンで記録
デジタコは1日の始まりで必ず起動させます。そしてその後は1日の作業が終わるまで、いつどこで何を何時間行ったのかを記録する必要があります。
例えば運転開始を入力したり荷物の積み下ろしを行う時にもボタンを押す必要があります。それだけではなく休憩をしたり荷待ち時間があればその時間についても入力しなくてはならないのです。
なのでどのボタンがどこの位置に配置されているのかや、ボタンをその都度押す癖をつけておかなくてはなりません。
デジタコの操作ボタンの主なもの
ここではデジタコの操作ボタンにはどんなものがあるのかについてを簡単にお話します。
実車
実車は荷物を積んでいる時に使うボタンです。このボタンは朝運行を開始する時に押しますが、荷物を前日積んでおいて翌日輸送をする時などに、電源を一度切ってしまったら再び運行ボタンを押さなくてはならないので注意しましょう。
3-2.荷積み・荷下ろし
このボタンは荷物を積んだり下したりする時に押すボタンです。荷物を積んでいたり荷物を下ろしてる間は必ず押さなくてはなりません。もしも押し忘れてしまうと正しい記録ができないので、運行状態を把握する事が難しくなります。
待機
このボタンは輸送トラックにはよくある事ですが、荷物を積み込みしたり下ろしたりする時に順番待ちをしなくてはならないため、この間の時間も記録できるようになっています。
待機時間中のアイドリングの記録もされるので確認を取りましょう。
休憩
中長距離の輸送の場合は定期的に休憩を取ります。休憩している時には運転はしないので当然ですがボタンを押さなくてはなりません。トイレ休憩やパーキングでの休憩や食事休憩などの時に押しましょう。
高速
トラックでの輸送には高速道路や有料道路を使う事で短時間で輸送ができます。そういう道路は一般道路よりも高速で走行する事ができます。なので高速ボタンを押してから走行する必要があるのです。
デジタコの設定を変えるには
ここではデジタコの設定を変えるにはどうすれば良いのかをお話いたします。
デジタコの設定速度を変えるには
デジタコの設定速度は変える事は不可能です。その理由はデジタコそのものが交通事故の軽減のために装着を義務付けたという事もあるので、事故の原因になりそうなスピード超過を許すような設定変更はできないのです。
デジタコの回転数の設定を変えるには
デジタコの回転数についてですが、全ての車で同じ設定にしていても、排気量が違う場合だと回転数がオーバーしてしまう事があるので、変更したいと思うかもしれませんが、実は回転数の設定の変更もできないので注意が必要です。
デジタコの音量を変えるには
デジタコの音がうるさいから少しだけでいいから静かにできたらいいのに、と思う方もいっらっしゃるかもしれませんが、デジタコの音は注意のための音ですので、こちらもやはり音量を下げたり上げたりする事はできません。
デジタコは運転手を守るものでもある
運転手にとってはデジタコがあると思ったような運転ができずイラっとしてしまう事もあるかもしれません。ここではデジタコはドライバーの命を守るためのものであるという事をお話いたします。
デジタコは監視?
初めてドライバーとしてお仕事をされる方は、デジタコでいちいち時間の記録をされたりすると、何となく監視されているのでは?と思ってしまうかもしれません。
実際に経験豊かなドライバーも自分の思う通りの仕事ができないと不満を感じる事もあるようです。
日報を自動で作成
監視されているのが嫌だと感じるかもしれませんが、日報を書くのも意外と大変な事だったと思います。
でもデジタコがあれば日報を自分で作成する必要はありません。これも運転手の疲労を軽減させる役に立っていると言えるでしょう。
過労運転を防ぐ
デジタコはそもそも運転手の過酷な労働条件を少しでも改善するためにあります。拘束時間がわかるようになった事で業務改善を行う事もできますし、残業代などの未払いがあった場合に証拠として提出する事もできます。
荷主とのトラブルの際には
もしも荷物の到着が遅くなってしまった場合などに、荷主とトラブルになってしまう事もありましたが、デジタコを使っていれば道路状況の説明ができますし、商品の破損等の苦情があった時にも納得できる説明ができます。
まとめ
今回はデジタコの操作方法についてをご紹介いたしました。
デジタコでどんな事ができるのかや、どのボタンで何ができるのかを把握して、疲労による事故を防いで快適にお仕事をこなしていきましょう。この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。