誰もが経験するトラックの横乗り!横乗り期間や注意点について紹介
トラックドライバーとして働き始めた方がいきなり一人で運転や配送を任されるかといえば、そのような人事をする会社は珍しいと言えます。
多くの運送会社では、新人をドライバーとして独り立ちさせるまでの準備期間として、先輩ドライバーの横乗りを経験させることにしているのです。
今回はトラックの横乗りがどのようなものなのか、その意義や心構え、期間などについて紹介します。
新人ドライバーには欠かせないトラックの横乗り
運送業界にドライバーとして就職するのであれば、基本的に新人は一定期間横乗りを経験するものだと考えておいたほうがよいでしょう。というのも、横乗りは会社による新人教育の一環、研修の一種であるからです。
新人ドライバーは横乗り期間中に先輩ドライバーの
- 作業の進め方を見る
- 作業を手伝う
- アドバイスを受ける
などして仕事を覚えていくことになります。
なお、これは転職の場合も同様です。他の運送会社でドライバー経験があったとしても、新しい会社では運んでいる荷物が異なるということも充分考えられるからです。
荷物が異なれば取り扱い方も違ってくるため、一定期間横乗りして慣れる必要があるでしょう。
新人教育のための横乗り期間
横乗りでは具体的にどのようなことを覚える必要があるのでしょうか。
積み降ろしの方法を覚える
基本的な業務のしかたを覚えることが横乗りの第一の目的です。その最たるものが荷物の
- トラックへの積み込み
- トラックからの積み降ろし
です。段ボールなのか板物なのか長物なのか、また手積みなのかパレット積みなのかなど、最適な積み込みや積み降ろしの方法は荷物によって変わります。
その職場でどのように作業が行われているのかを覚え、自分でもこなせるようになるまで横乗りを行います。
ベテランドライバーの隣で作業手順を見学したり、作業の手伝いをしたりする中で、ドライバーとしての仕事の進め方を覚えていくことになります。
運転についての指導
アルバイトとしての横乗りであれば運転技術を身につける必要はないのですが、新人ドライバーとして横乗りしている場合はそうもいきません。
いずれひとり立ちしなければならない以上、運転についても学ぶ必要があります。
横乗りを始めてすぐに運転を任されることはないとしても、数週間もすれば先輩ドライバーの付き添いのもとで自らトラックを運転することになるでしょう。
それまでにルート配送の道を覚えるなど、カーナビに頼らなくても運転できるすべを身につけなければなりません。
先輩ドライバーのトラックに同乗している間に、担当地域の土地勘をつけておくことが大事です。
接客態度
荷物を積み込んでトラックを運転するだけがドライバーの仕事ではありません。積み降ろしがあるということは、顧客と対面でのやりとりが発生するということでもあるからです。
また宅配のドライバーであれば、営業が業務の一環として含まれていることも珍しくないでしょう。したがって、運転技術だけでなく接客スキルも習得する必要があります。
先輩ドライバーの接客態度をよく見ておき、自分でも同じように振る舞えるようにしておくことが大切です。
横乗り期間中にしない方がいいこと
併せて、横乗り期間に避けるべき行動についても押さえておきましょう。
居眠り
横乗りにおいて最も気をつけなければならないのは居眠りです。作業を手伝っている間はいいのですが、問題は移動中。
トラックを運転するのは先輩ドライバーなので、基本的には座っているだけということになりがち。眠気に襲われることも珍しくありません。
実は先輩ドライバーのほうも「移動中は寝ていてくれたほうが気が楽でいい」という意見を持っている人は多いのですが、全員がそうではありません。
先輩ドライバーは仕事をしているわけですから、少なくとも断りなく眠ってしまうようなことは慎むべきです。
先輩ドライバーとコミュニケーションを取ったり、事前にコーヒーを飲んでおいたりなど、居眠りをしないための対策を試みましょう。
勝手な作業
新人ドライバーの横乗りは将来的にひとり立ちすることを前提に行われます。裏を返せば、横乗りしているうちはまだドライバーとして知識や技能が不充分であるということです。
たしかに横乗りは仕事を覚えるための期間なのですが、だからといって許可を得ずに作業をしてしまうと、思わぬミスや手違いが発生してしまう原因になりかねません。
作業を手伝う際は必ず先輩ドライバーに確認を取り、正しい作業手順を教わりながら行うようにしましょう。セルフジャッジは禁物です。
スマホの操作
繰り返しになりますが、運転している先輩ドライバーは仕事中です。さらに言えば、横乗りしている本人も業務しているという扱いになっています。
暇だからといって、先輩ドライバーに何も言わずにスマホを弄るような行為はやめましょう。悪い印象を持たれてしまうこと請け合いです。
横乗りの期間はどれぐらいなの?
ところで、一般的に横乗り期間はどれくらいに設定されるものなのでしょうか。
運送会社や営業所によっても違いはありますが、未経験者であれば2週間以上。経験のあるドライバーの場合は1~2週間でひとり立ちになるケースが多いようです。
もちろん、前述の期間が過ぎていても、一人で業務を任せるのが不安と見なされている場合は横乗り期間が続きます。
たとえ同じ職場で横乗りをしていても、個人個人の習熟度合いによってひとり立ちまでの日数に差は出てくるのです。ここで示した期間はあくまでも目安と考えてください。
助手としての横乗りとは?
先も少し触れましたが、新人ドライバーとしてひとり立ち前提に横乗りをするではなく、最初からドライバーの助手として横乗りをするパターンもあり得ます。
この場合、アルバイトやパートとして勤務することが多いでしょう。アルバイトやパートなので、トラックの運転を任されることはまずありません。
助手の仕事はあくまでもドライバーの補助。たとえば
- 積み込みや積み降ろしの手伝い
- 検品を担当
といったことが主になります。
ちなみに、荷扱いの補助と聞くと力仕事なのではないかと想像してしまうかもしれませんが、助手が必要ということは手で持てる荷物であることが前提ということでもあります。
さほど重い荷物は扱わないケースも多いので、女性であっても充分仕事をすることが可能でしょう。
まとめ
横乗りの際に積極的に覚えるべきこと、逆に気をつけるべきことについて紹介させて頂きました。
トラックのドライバーとして働くのであれば、誰でも一度は横乗りを経験することになるはずです。
自分がその立場になったときに困らないよう、この記事によって横乗りへの理解を深めていただけたら幸いです。