ダンプ規正法とは?ゼッケン取得の手続と表示方法をわかりやすく解説!
ダンプ規正法は昭和42年に制定された土砂ダンプに関する法律なのですが、ダンプの番号や表示そして自重計の取り付け義務など、ダンプならではのいくつかの決まりがあります。
この記事ではダンプ番号などダンプについての疑問や番号などの取得方法をご紹介いたします。
ダンプ規制法とは
まずはダンプ規正法とはどんな法律なのかについてご紹介いたしましょう。
ダンプ規正法の正式名称
そもそもダンプ規正法というのはダンプなどの土砂を運搬するための大型自動車の交通事故防止や、安全基準についてを取り決めた特別措置法です。
なぜこの法律が定められたのかというと、実は昭和41年に起こった猿投町で起こった悲惨な交通事故が発端です。
この事故はダンプカーの運転手の居眠りによって、横断歩道の手前で停車中のライトバンに追突し、ノーブレーキだったこともあって歩道へ2台とも横断歩道を渡っていた保育園の児童と保育士と衝突し、11名もの命を奪ったという背景があります。
そのためこの法律の正式名称は『土砂等を運搬する大型同社による交通事故の防止等に関する特別措置法』と言います。
ダンプ規正法の対象となるのは?
ダンプ規正法の対象となる車両はもちろんダンプカーです。ダンプカーといっても全てのダンプカーがこの法律の対象となるわけではありません。
最大積載量5000kgを超えるダンプカー、または車両総重量8000kg以上のダンプカーが対象となっています。
ちなみにダンプカーといっても土砂等を運搬する車両だけではありません。土砂等の中に含まれているものは以下の通りです。
「土」「砂利」「玉石」「砕石」「砂利を混ぜたセメント」「アスファルト」「鉱さい」「コンクリ」「モルタル」「レンガ」などですので、土砂を運ばないダンプや土砂禁ダンプや公道を走行しない場合は対象外です。
他には販売車両についても対象外です。
ダンプ規正法の主な内容
ダンプ規正法の内容を簡単に説明すると、ダンプが公道を走るときには荷台に表記番号を表示する。これは公道を走っているダンプを見るとわかるように、ダンプの後ろに記載されている数字のことですね。
もちろん大型自動車に区分されているダンプカーです。他にも自重計というものを取り付けしなくてはならない決まりです。自重計については荷台の下に積載重量を測定する装置として取付けなくてはなりません。
どのくらい荷物を積んでいるのかを確認するために必要になります。
ダンプ規正法と「ゼッケン」
ここではダンプ規正法とゼッケンの関係についてご紹介いたします。
ゼッケンとは
ゼッケンというのはダンプの後ろのあおりなどについている地名や数字のことですね。「地域 営 数字」で大きく記載されているので、ダンプの後ろに停車したり走行したりしていたら必ず目に入るものです。
このゼッケンがついているダンプは土砂や砂利などを輸送しているという意味になるので、このゼッケンが付いていないダンプは土砂や砂利などを運んではいけないという意味になります。
言い換えるとこのゼッケンがついていないダンプで土砂や砂利などを輸送してはいけないということです。
ゼッケンの読み方
ゼッケンには登録している地名そして漢字一文字で事業内容を表記しています。数字は4桁で表記されています。
ちなみ事業内容には複数の種類があるので、どんな事業形態なのかを一文字で表すことになります。
このゼッケンは誰もがすぐに見える場所に表記しなくてはならず、例えば先ほど記載したように荷台あおりの後ろに記載したり、ダンプの荷台の左右に大きく記載したりすることが義務付けられています。
義務なので必ず砂利運搬をするダンプはゼッケンを付けなくてはなりません。
ゼッケンに書かれた事業の種類
事業内容の種類は全部で7種類ほどあって、(営)は運送事業、(販)は砂利などの販売業、(採)は砂利採取業、(建)は建設業、(砕)は砕石業、(他)はその他の事業(廃棄物、生コンなど)をそれぞれ表しています。
このようにこのダンプはどんな業種でどのような目的で動いているのかがわかるようになっています。
言い換えるとこれらの事業とは違う業種でダンプカーを使う時には必要ないというわけですね。
では次にゼッケンを取得するための方法や必要な書類などについてを簡単に説明いたします。
ダンプ番号「ゼッケン」取得するには
ダンプのゼッケンはどのようにして取得するのかをわかりやすく説明いたします。
手続きは運輸支局で
ダンプのゼッケンを取得するためには運輸支局に申し出なくてはなりません。
申請するにあたっては必要書類に必要事項を記載して提出することになるのですが、申請書などの必要書類は運輸支局のホームページからダウンロードすることができます。いちいち運輸支局へ行かなくてもいいので助かりますね。
申請書などをダウンロードしたら必要事項をしっかりと記入して、他に必要な書類などを集めて改めて運輸支局へと持参して申請を行うというのがダンプのゼッケンの申請方法です。
ゼッケン取得に必要な書類
ゼッケンの取得をするには様々な書類が必要です。例えば土砂等大型自動車使用届出書の甲、これは管轄の運輸支局に初めて届出する時に必要な書類です。
次に土砂等大型自動車使用届乙です。この書類は1車両につき1つ提出します。
自動車車検証、自重計技術基準適合所、事業の挙証書類です。挙証書類については業種によって提出する書類が違います。
挙証書類というのは何を指すのかについては次の章でわかりやすく説明いたします。
挙証書類とは
挙証書類というのは事業を営む事を許可されているというのを証明するための書類のことを言います。
つまり事業を許されているという証拠を提出するという意味ですね。
そしてこの挙証書類は事業内容によって変わるので、以下に表記しておきますのでご確認ください。
事業種類 | 表記 | 挙証書類 |
運送業 | 営 | なし |
砂利販売業 | 販 | 砂利の山元もしくは買主との売買契約書もしくは仮契約書の写し、商工会議所や市町村等による事業内容証明書や納税証明書 |
砂利採取業 | 砂 | 砂利採取手法による登録の写し |
建設業 | 建 | 建設業許可証の写し |
砕石業 | 砕 | 大気汚染防止法による粉塵発生施設の設置等の届出書の写し、砕石のための設備に関わる登記簿謄本 |
採石業 | 石 | 採石法による登記の写し |
その他(生コン、廃棄業) |
他 |
廃棄物処理法による許可書の写し、生コン業の場合は当該設備に関わる登記簿謄本 |
中古ダンプでゼッケンを取得する場合
ダンプを新車で購入するというケースも多いかもしれませんが、中古車を購入して使用する事業者もたくさんいるでしょう。
中古のダンプを登録する時にはすでにゼッケンが記載されていることがありますよね。この場合はまず『土砂等大型自動車使用廃止届出書』という書類を提出しておかなくてはなりません。
以前の所有者が本来はやるべきことなのですが、念のために新たに登録する前に一応確認しておくことをおすすめいたします。
ダンプゼッケンのステッカー
ダンプの登録が済んだらいよいよ発行されたゼッケンをダンプに記載しなくてはなりません。
記載する際に気を付ける点としては、記載する文字の大きさや高さが決まっているので、必ずその決まりは守る必要があります。
記載する方法で最も多いのはステッカーなどで加工して決められた場所に貼るのですが、中にはその大きさでマジックやペンで記入するだけという例もあります。
汚れなどによって消える確率が高いのでステッカーなどで加工してもらうと良いですね。
ステッカーはパソコンとプリンターがあればできますが、最近はダンプのゼッケンをステッカーに加工しますという業者がインターネットでもたくさんいるので、利用されてみてはいかがでしょうか。
ダンプ規正法の問題点
ダンプ規正法は危険を回避するために必要だとされてきましたが、昨今では物流コストを少しでも軽減したいと規制緩和の要望が提出されました。
緩和してもらいたい項目は大きく分けると3つです。
- 時速80キロ走行の規制を90キロに上げて欲しい
- 番号表示の廃止
- 自重計取付けの義務の廃止
要望の結果はどうなったのかというと、時速80キロ制限を90キロへの引き上げについては却下されました。ダンプは重くて大きな車両であり、万が一事故が起こった場合は大きな被害を出しかねないためとのことでした。
番号表記の廃止についてですが、これについても大きな事故などを減らせたという一定の評価があるため、番号表記の廃止は適当ではないという回答でした。つまり撤廃はしないということですね。
3番目の自重計の取り付けについても要望は聞き入れられませんでした。その理由としては過積載が増えることや、利益を追求するがために過酷な労働と過労による事故の増加が懸念されるためのようです。
いずれにしろ大きな事故につながりやすいと考えられているため、ダンプの規制緩和はまだまだ先のお話になりそうですね。
まとめ
今回はダンプ規正法とは何か?なぜ規制法が強化されたのか?そしてダンプのゼッケンについて、申請に必要な書類などについてお話いたしました。
この記事がダンプに関わる疑問を抱える方のお役に立てれば幸いです。