ドラム缶の積み方と転がし方・ドラム缶を安全に扱うための注意点をまとめました
ドラム缶を積む際には、縦積みと横に並べて積む俵積みとがあります。
基本的にトラックの荷台に積む時には縦積みで積むのですが、積み降ろしにはフォークリフトを使うことが多くなっています。
そこでここではドラム缶の積み方や転がし方など安全に取り扱う方法について紹介していきたいと思います。
ドラム缶の扱い方
タイトヘッドドラムとオープンヘッドドラム
タイトヘッドドラムは天地板と胴体を巻締め、口金で密封したドラム缶です。主に化学製品、潤滑油、樹脂、食品油などの液体用内容物の際に使用するようになっています。
それに対してオープンヘッドドラムは天蓋にガスケットを装着し、レバー式もしくはボルト式のバンドで胴体に締め付けたドラム缶です。
こちらは粘度の高い液体や粉、固体などの内容物に使用しています。
ドラム缶の保管は屋内で
スチール缶のドラム缶は基本的に防錆効果はありません。そのため、屋外で放置していると雨風によって錆びてしまう可能性があります。
できるだけ屋内で保管するのが良いでしょう。また、オープンヘッドドラムを屋外に放置していると雨が中に入る危険性もあります。
どうしても屋外で保管する場合はキャップやカバーなどをつける必要があります。
ドラム缶は圧力に弱い
ドラム缶は内圧、外圧ともに耐えられるようには作られていません。そのため圧力がかかると変形してしまう可能性があります。
縦に積む際にはそのまま積むと圧力が強くかかってしまうため、パレットを使って圧力を分散させるのが良いでしょう。
また、こういった性質のため、ガスを入れることはできません。
ドラム缶の再利用
ドラム缶は使い捨てではなく、再利用されることが多い製品です。
ただし、それほど頑丈なものではないため、錆びているものや劣化が激しいものに関しては新しいドラム缶を買ったほうが良い場合もあります。
洗浄に関しては専門の業者もありますので、まとめて依頼するという方法もあります。
ドラム缶の積み方(保管時)
縦積み
ドラム缶を縦に積んでいく方法です。高く積み過ぎると下のドラム缶に強い圧力がかかってしまうために多くても3段までくらいが普通です。
あまりに圧がかかってしまう場合にはパレットを使用するのが良いでしょう。特にオープンヘッドドラムは天板が緩くなりやすいためパレットを使用するのがおすすめです。
俵積み
ドラム缶を横に積んでいく積み方です。その姿が俵のように見えることからこの呼び名がついています。
ただし、内容物が漏れてしまう可能性があるため、オープンヘッドドラムは俵積みにはしません。
ドラム缶の積み方(トラック、輸送時)
ドラム缶の積み降ろし
荷台に積み込む際にはフォークリフト、ドラムクリッパー、ドラムリフターなどを使用することが多くなっています。
特に内容物が入っているものについては重量があるだけでなく、人力で行うと危険を伴うために道具を使うことが多くなっています。降ろす際にはトラックのパワーゲートを使うのが一般的です。
荷台には縦積み
空のドラム缶を積む際には縦積みをすることが多くなっています。縦に積むとそれだけバランスが悪くなりますので、積んだ後には荷崩れしないように固定することが必要です。
こうした際の積み方や固定の仕方は会社によっても違いますし、内容物などによっても違います。その場でのルールに従って積み込むことが重要です。
ドラム缶の転がし方
ドラム缶を傾ける
まず足の外側をドラム缶の下に沿わせていきます。できれば利き足ではない足の方が便利です。
足をドラム缶の下に置いたらドラム缶の蓋の縁、手前側をしっかりと掴みます。そしてドラム缶の縁を掴んだら、ドラム缶につけた足を支点にして一気に引き寄せます。
こうして傾けていきます。ただ、ドラム缶は内容によっては200kg前後の重量がありますから、注意が必要です。
ドラム缶のふちに手をかける
後はドラム缶の縁に手をかけて転がしていきます。どこを持つと転がしやすいかは人によって違いますので自分が動かしやすい方法で行いましょう。
重いドラム缶は道具で運搬
手作業で行おうとして「重い」「無理」と感じた場合は無理をしてはいけません。大きな事故の原因となる場合もあります。
特に大量にドラム缶を運ぶ際などは、専用のカートや、リフトなどもあるので、それらを利用して運ぶ方が安全に運ぶことができるでしょう。
こういう際に利用するドラムクリッパーとは、フォークリフト専用のアタッチメントの一種のことで、フォークリフトのツメに取り付けることでドラム缶を移動させることができます。
ドラムクリッパーは、ツメを上下させることでドラム缶の縁を掴むことができる構造になっています。
そして一度掴んだら、ドラム缶の自重によってしっかりと固定されるので、安心して移動させることができます。
ただし、ドラムクリッパーでは一度に運べる本数が決まっています。ドラムクリッパーには1本吊タイプと2本吊タイプがあり、それぞれ決まった本数までしかドラム缶を掴めないようになっています。
つまり、ドラムクリッパーを使って一度に運べるドラム缶の数は、最大2本までということになります。それ以上の本数を同時に運ばないようにしましょう。
まとめ
ドラム缶には基本的に縦積みと横積みがあります。また、ドラム缶の種類によっても積み方や保管の仕方は違ってきます。
そのドラム缶に合った保管、積み方をしていくことが安全へとつながります。正しい知識を持って、ドラム缶を安全に運搬していきましょう。