レッカー車のサイズ/大きさとクレーン車の種類・ユニック車とクレーン車の違いとは?
レッカー車にもサイズがあるという事をご存知でしょうか?実はレッカー車というのはベースとなるトラックの大きさによってサイズが変わっているのです。
今回はベースとなるトラックの大きさやクレーンの種類などをわかりやすくご説明いたします。
レッカー車のサイズはいろいろ
レッカー車は車を移動させるのに必要不可欠な車両です。頻繁に目撃する車両ではないかもしれませんが、タイプも色々あるものだと思った方もおられるかもしれません。
レッカー車というのは特別な車両ではありますが、基本的にベースとなるトラックの荷台にクレーンを付けて作られています。つまりベースとなる車両の大きさによってサイズが色々と変わってくるものなのです。
トラックを販売しているディーラーなどに行ってもレッカー車そのものを見た事が無いのは、購入する時に用途に応じてその都度オーダーメイドされるものだからなのですね。
ちなみにトラックとクレーンの部分のメーカーはそれぞれ違います。
小型レッカー車のサイズ
ここでは小型のレッカー車のサイズについてご紹介いたします。
小型レッカー車に使われるトラック
まず小型レッカー車に使われるトラックは2トン車です。いすゞのエルフなどが代表的なベースとなるトラックですね。2トン車の積載荷重は2,000kgです。普通車や軽自動車をメインにレッカーします。
他にもトヨタのダイナや三菱の2トントラックなども使用されます。日野の2トントラックもレッカー車のベースとして使われています。
運送会社などは運転しやすい車種を選びますので、扱いやすいトラックをレッカー車として使用するわけです。もちろん全てのレッカー車が当てはまるとは限りません。
小型レッカー車の積載重量
小型レッカー車の場合は牽引する車の総重量が750kg以内であれば、牽引の免許を取得している必要はありませんが、これを超える場合には牽引免許が必要になるので注意が必要です。
つまり車両総重量が750kg以下の車両の牽引する場合には普通免許があれば運転できます。
ただし先ほど説明したように軽自動車と普通自動車の牽引ができるだけなので、大きな車両を運ぶ可能性がある場合は大型トラックをベースにしなくてはなりません。
中型レッカー車のサイズ
ここでは中型レッカー車のサイズについてご紹介いたします。
中型レッカー車に使われるトラック
中型レッカー車の積載荷重は3,000kgまでとなっています。中型なのでもちろんベースも中型トラックとなります。中型トラックは中型免許が必要になるので注意が必要になります。
小型レッカー車同様に牽引する車両の車両総重量が750kg以下なら牽引免許の必要はありません。
中型レッカー車に使用されるトラックはいすゞのエルフ、そして三菱のキャンター、そして日野のデュトロなどが多いですね。
もちろん他のメーカーのトラックをベースに使っているケースもあるので、一概にこれだけとは限りません。
中型レッカー車の積載重量
中型レッカー車の積載重量は3,000kgです。2トン車に比べると若干大きい車両を牽引する事が可能です。
もちろん普通免許では運転できないので中型免許の取得が必要になります。免許の改定が行われる以前の方は普通免許でも運転ができるでしょう。牽引免許が必要なのでは?
とお考えの方もいると思いますが、牽引する車両の車両総重量が750kg以下であれば牽引の免許は必要ありませんが、これを超える場合にはけん引免許が必要になるので気を付ける必要があるでしょう。
大型レッカー車のサイズ
ここでは大型レッカー車のサイズについてご紹介いたします。
大型レッカー車に使われるトラック
大型レッカー車に使われているトラックも2トン車と3トン車と同じように、各メーカーのトラックがベースとして使われているようです。
よく見かけるのはやはりいすゞかもしれませんが、それ以外にも数社のメーカーがあるようです。
日野のレンジャー、いすゞのエルフ、三菱、UDトラックスなど、各トラックメーカーそれぞれが大型レッカー車のベースとして選ばれているようです。
やはり使い勝手や慣れや見た目で選ぶなど好みも関係しているのかもしれません。
大型レッカー車の積載重量
大型レッカー車の積載重量は2トンや3トンと比べると、サイズも豊富になってきます。その幅は広く4トン~8トンまであるのです。
大型レッカー車のベースとして使われるトラックとメーカーも意外と豊富です。必要な運転免許は大型免許です。
2トンと3トンと同様に750kg以下の車両総重量の車をレッカーするのなら牽引の免許が必要ありませんが、大型レッカー車で750kg以下の車両を運ぶのは稀な事かもしれません。
となると大型免許の他に牽引免許や玉掛けの資格を取得しておくのも良いですね。
知っておきたいクレーンの種類
ここではレッカー車のクレーンの種類についてご紹介いたします。
トラッククレーン
トラッククレーンというのはベースとなるトラックの運転席とクレーンを操作する運転席が別々についているタイプの一般的なクレーンのついたトラックです。
レッカー車として使用する事はほとんどありません。建設現場などで重い資材を移動させるのに主に使われている車両です。
もちろんもしも車両を吊り上げなくてはならない場合に出動する可能性もありますので、全てが建設現場のみで活躍するとは言い切れません。
レッカー形トラッククレーン
レッカー形トラッククレーンというのはトラックのシャシをサブフレームという装備で補強したタイプのトラッククレーンです。
側面にはアウトリガーが付いていて、車両を安定させる役割を果たしています。
もちろんクレーンの装置もついているので事故現場などで車両を持ち上げたり、自走できない車両を牽引して運ぶ事も可能です。
車両積載形トラッククレーン
車両積載形トラッククレーンは車を荷台に乗せて走行する事ができるトラッククレーンです。
形はいたってシンプルでリモコン付きのクレーンが付いていて、広い荷台が付いているのでそこに車を積載します。
ちなみに車両積載形トラッククレーンに積載できる車両はバイクなどが多いようです。
というのもクレーンで吊り上げて乗せるタイプなのですが、もちろんクレーンの吊り上げ能力が強く大型トラックがベースなら車両も運べるかもしれません。
ホイールクレーン
ホイールクレーンとは移動式のクレーンです。小回りが利くので狭い現場などで活躍する車両となっています。
アウトリガーがあるタイプとアウトリガーの代わりに前輪の横の部分に鉄輪が付いたタイプもあります。運転席は一つしかありません。
トラッククレーンのようにトラックの運転席とクレーンの操作が別になっているわけではありません。
よく道路で大きなクレーンを搭載した重機のような車両が走っていますが、あれがホイールクレーンである確率は高いでしょう。
ラフタークレーン
最後にラフテレーンクレーンという車種があります。ラフテレーンクレーンはホイールクレーンの一種です。
機動性に優れていて狭い場所でもスムーズに作業をする事ができます。というのもラフテレーンクレーンは特殊な4種類の操向方式だからです。
吊り上げ能力が非常に高く、バリエーションも2トン~10トンと、25トン50トン75トンがあります。
まとめ
今回はレッカー車にもサイズが色々あるというお話と、各サイズのレッカー車に使用されるトラック、メーカーそしてクレーン機能を搭載しているトラックの種類をいくつかご紹介いたしました。
この記事がレッカー車のサイズについて知りたい方の参考になれば幸いです。