トラックロープの種類と選び方 - ドライバーにおすすめのロープワークもご紹介
トラックの荷台に荷物を積んだ時に、荷物が崩れてしまったり移動してしまったりしないようにするために使うのが「トラックロープ」です。
今回はトラックロープの種類や選び方、そして結び方などを簡単に説明いたします。
トラックロープの選び方
まずはトラックロープを選ぶ時にどこに注目したら良いのかについてを簡単に説明いたします。
強度・耐水性
トラックで運ぶ荷物は軽くても重くても荷崩れして荷物が破損してしまったりしない事が前提です。そのため強度が強いロープであったり耐水性のあるタイプの素材を選ぶと良いでしょう。
なぜかというとトラックでロープを使うという事は、外にさらされている荷物に対してロープを使うからで、雨が降る事もあるでしょうし日差しを受ける事もあるからです。
ほどけやすさ
荷物をしっかりと結んで固定する必要があるので、たいていの場合はかなり固く結んで固定します。
そして移動する時にはさらに振動などによってギュッと固まってしまうものでもあるので、現場でほどく時にゆるみにくいものだと大変です。
そのため強度があって耐水性があるのにほどく時にはほどけやすいというロープである事も非常に重要なポイントになります。
コスト
毎日使うものなので安全性を考えたら定期的に新しいものに取り換える必要があります。そのためあまりにも高級なロープだと交換する時に躊躇してしまうかもしれませんし、コストが高くなってしまいますよね。
そのためある程度コストパフォーマンス性の高い素材で、丈夫で耐久性に優れているトラックロープが必要になります。またいつも手に入るというのも重要です。
トラックロープの素材の種類
ここではトラックロープに使われている素材の種類とそれぞれの特徴についてご紹介いたします。
PP
ポリプロピレンですね。合成樹脂です。とても安くて丈夫な素材です。軽くて強度にも優れているのでよく使われている素材なのですが、残念なのはこのポリプロピレンという樹脂は紫外線に弱いのです。
つまり長い間使うと劣化して強度が極端に落ちてしまい、ある日突然ぱつっと切れてしまう事があるので、頻繁に交換する必要があるでしょう。
KP
これはポリエチレンとポリエステルを混合させたものですね。
強度の高いポリエチレンとポリエステルの柔らかさを兼ね備えた素材なので、農作業や荷役などにも利用されていますが、あまり頑丈なロープだとは言えません。
強度は他の素材と似たところがありますが、耐熱温度が55℃以内と低いのであまりおすすめはできません。
ポリエステル
ポリエステルは非常に頑丈で使い勝手の良いロープです。その強さは命綱や救命ロープなどにも使われているほどなので、トラックロープに使うのにも非常に適しています。
さらに熱に対する耐久性も高く110℃以内です。摩擦にも強いのでトラックロープとして選ぶのに最適でしょう。また耐薬品性にも強いのでおすすめです。
ビニロン
ビニロンも合成樹脂の一つです。強度も良く耐久性に優れているのですが、耐水性や耐薬品性についてはポリエステルよりもやや劣ります。
ただ扱いやすさに優れているので好んで使われる素材でもあります。水にぬれた後で乾くと少し硬くなるという特性があるので、そこだけ理解してお使いになる分には使用に問題は無いでしょう。
綿
綿は天然繊維ですね。綿花から取れる綿の糸で造られているロープなのですが、強度は合成樹脂に比べるとおよそ半分くらいの強度しかないので、
トラックロープとしてはあまりおすすめできる素材ではありません。
ただし天然素材なので静電気が抑えられた李摩擦や熱に強いです。さらに紫外線にも強いという点では合成樹脂よりも優れているでしょう。
クレモナ
クレモナというのはビニロンの事なのですが、クラレという会社のビニロンを使って造られたロープの事をクレモナというのです。
強度も耐久性も使いやすさにも優れている素材なので、トラックロープだけではなくあらゆる分野で利用されています。
耐候性に優れていますが耐水性や耐薬品性についてはポリエステルの方が上です。柔らかい素材でもあるので使いやすいでしょう。
トラックで使うロープワークの種類
ここではトラックで使うロープの結び方を数種類ご紹介していきましょう。
南京結び
南京結びというロープの結び方はしっかりと荷物を固定する事ができるので、大きな荷物の輸送をする時にその荷物を固定するのに使われる結び方です。
ロープの最後を確実にフックなどに固定する事が可能です。しっかりと荷台に固定する事ができる結び方なので、走行中にロープが振動で緩んでしまうという事がありません。
もやい結び
もやい結びというロープの結び方は船を岸壁などに固定する事をもやいという言い方をしていたのがそのまま名前になった結び方です。
人命救助などを行う時にも利用されたりする事でもわかるように、強度の強い結び方なのです。
覚えると非常に簡単にしっかりと結ぶ事ができるので、長時間荷物を運搬しなくてはならない時にとても重宝する結び方です。覚えておくと色々な場面で使えて便利です。
輸送結び
輸送結びはぎゅっと引けば固く締まり緩めるのもとても簡単な結び方です。滑車の原理で強く締める事ができるので慣れると作業がとても簡単です。しかしながら一人で結ぶのには適していません。
二人係でサッと荷物を結びたいという時におすすめの結び方です。ちなみにかなり強くしまってしまうので柔らかい素材や耐久性が低い荷物には向きません。
ひとつえぎ結び
ひとつえぎ結びという結び方は釣りを趣味にしている方ならどなたでも結ぶ事ができる結び方です。
しっかりと締まって荷物を固定する事ができるので知っておくと良いでしょう。ただあまりトラックでは使わないかもしれません。
フックに引っ掛ける輪の部分を作るためにこの結び方をするのであれば、釣り針に糸を巻き付けるように5重から7重に巻き付けると強度が増すでしょう。
ロープワークを習得するには
ここではトラックで重要なロープワークを習得するためにはどうすれば良いのかについてを説明いたします。
先輩社員に学ぶ
一番良いのは先輩から学ぶ事でしょう。先輩が結んでいるのを傍で見て覚えるのも良いですし、やり方が複雑な結び方の場合にはゆっくりと結んでもらったり、
結ぶ時のコツなどについてを教えていただくのも良いですね。教えてもらうのに躊躇する必要はありません。
早く一人立ちするためには必要不可欠な作業ですから、丁寧に教えていただく事をおすすめします。
アウトドア関連のサイト・本
先輩に聞いてもすぐに覚えられないのがロープワークです。そこでいつまでも先輩に頼ってばかりではなく独学する事も必要ですよね。そんな時にはアウトドア関係の書籍などをチェックしてみましょう。
アウトドア関連のサイトを活用しても良いですね。今回ご紹介したロープワークの他にもいろいろな結び方を説明しているかもしれません。
Youtube動画
本で見ても平面上の説明ではどんな動きをしているのかがわかりにくい事ってありますよね。実際に自分の頭で理解していないと図面で見てもわからないものです。
そんな時にはYoutubeなどの動画サイトを上手に活用しましょう。
アウトドア関連の動画を配信しているチャンネルでは、ロープワークの特集をしているところもたくさんあります。実際に目で見て覚える事ができるのでおすすめです。
まとめ
今回はトラックのロープワークやロープの種類、それぞれの素材ごとの特徴と用途についてをご紹介しました。
さらにロープワークの習得方法などについてもお話ししました。この記事がトラックのロープワークで悩む方のお役に立てれば幸いです。