運行管理者の給料/年収はどのくらい?一般的な月給や賞与、資格手当などについても解説!

運送会社の日々の業務を円滑にすすめるために、運行管理者は車両の手配やドライバーの健康管理などを行っています。

責任の重い仕事ですが、その給料はどれくらいなのでしょうか。運行管理者の需要や将来性、やりがいについてご説明しています。

運行管理者とは

運送業界において運行管理者はとても重要な役割を担っています。専任された運行管理者が配車係になる場合も多く、

その業務は運転手の乗務割の作成、車両の手配、ドライバーの健康管理など多岐にわたっていて、運行管理者がその運送会社の要、中心的な存在であるといって良いでしょう。

その運行管理者ですが、誰でもなれるというものではなく、実務経験(実務経験がない場合は基礎講習の受講)及び運行管理者資格という資格が必要になります。

自動車運送事業者は一定の数以上の事業用自動車を有している営業所ごとに一定の人数以上の運行管理者を専任しなければなりません。

また運行管理者が複数選任されている営業所においては統括運行管理者を定めなければならない規定があります。

運行管理者資格とはそんな運送事業を行うのになくてはならない国家資格で、「貨物」と「旅客」の2種類があり、行なっている業務に合った資格を取得する必要があります。

運行管理者の給料

運行管理者の給料は会社によって違う

運送会社、バス会社、タクシー会社には運行管理者を設置する義務があり、その選任数は、「貨物」でトラック車両台数〜29台で1名(以降車両30両ごとに+1名)「旅客」の乗合バス・タクシーは、〜39両で1名(以降40両ごとに+1名)

貸切バスは、〜39両で2名(以降20両ごとに+1名)となっていて、車両保有台数によって選任数が違ってきます。

運行管理者の給与体系は運転手とは異なり固定給のところが多く、また会社の規模によって変わってきます。

比較的小規模な会社と規模の大きい大手の会社で運行管理者の立ち位置や給与の相場が大きく変わってくるので、そのあたりを解説していきたいと思います。

中小運送会社の運行管理者の給料相場

中小運送会社の運行管理者の給料は25〜35万位になります。規模が小さい運送会社の場合、社長や役員が運行管理者を兼任している事もあり、専任の運行管理者がいても、現場に近い立場である事が多いです。

忙しくて仕事が回らない場合などは運行管理者が現場に出て積み込みの手伝いや、トラックに乗って配達に出る場合もあります。

大手運送会社の運行管理者の給料相場

大手運送会社の運行管理者の給料は30〜45万位になります。大手運送会社の運行管理者は幹部候補で入社するか、運転手から能力を買われ、ステップアップする場合が多く、完全に事務方の仕事になります。

現場に出る事はほとんどなく、完全に従業員の管理側にまわり取引先との接客対応もこなします。

運行管理者としての立ち位置も中小の運送会社に比べ高い場合が多く、また統括運行管理者になれば平均より高い給料を得る事も可能です。

タクシー会社の運行管理者の給料相場

タクシー会社の運行管理者の給料の相場は22〜35万位になります。タクシー会社では、ドライバーの給料は歩合ですが、運行管理者は固定給になります。

ドライバーと違って固定給のため収入が低くなる可能性があるなど、デメリットもありますが、その一方で売り上げに給料が左右されない分、安定した収入が確保できるメリットがあります。

運行管理者になるには

運行管理者は国家資格

運行管理者は各事業所に必ず配置する事が定められている事から、大変需要の高い国家資格になります。また近年はコンプライアンス遵守、働き方改革が運送会社に浸透してきている事から、

意識の高い運転手が勉強や自己啓発のために資格取得にチャレンジするケースも増えてきていて、運送業界に従事している人を中心に人気の高い資格になっています。

運行管理者の資格は「貨物」と「旅客」の2種類があり、それぞれ業務に応じた資格の取得が必要になります。

その運行管理者試験の合格率ですが「貨物」、「旅客」ともに30%前後で推移しており、かなりの難関資格と言えるのではないでしょうか。

試験を受けて運行管理者になる

試験を受けて運行管理者になる方法が一般的です。受験資格は運送会社に1年以上在籍していれば受験資格はクリアです。仮に実務経験がなくても、国土交通省が認定する基礎講習を受講すれば受験資格を得る事ができます。

試験内容ですが、➀貨物自動車運送事業法(旅客)道路運送法②道路運送車両法➂道路交通法➃労働基準法⑤その他運行管理者の業務上必要な知識・能力、以上の5科目から出題されます。

合格率だけで見れば難関資格のような感じがしますが、要点を押さえて勉強すればけっして難しい資格ではない事は頭に入れておいて下さい。

実務のみで運行管理者になる

運送事業(貨物、旅客)の実務経験が5年以上で、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していることで、試験を受ける事なく、資格を得る事ができます。

ただし運行の管理に関する講習として5回以上の講習のうち、少なくとも一回は基礎講習を受講している必要があります。

運送業界の経験が豊富な方で例えば今から勉強して受験するのはちょっと・・・という方は試験を受ける事なく運行管理者の資格を得る方法もある事は覚えておくと良いかもしれません。

運行管理者はきつい仕事か?

運行管理者の仕事は運転手とのやり取りや顧客への対応、安全への配慮などその仕事の範囲は多岐にわたり責任の大きな仕事になります。

ただ、その責任の大きさの割に給料は高くなく、給料が減るのが嫌で運行管理者の誘いを断るドライバーもいるほどです。

その上、長時間労働にもなりがちです。実際に小規模な運送会社では運行管理者が夜中まで積み込みの手伝いや点呼、配車などで電話を手放せない、なんて事がよくあります。もちろん勤務する会社にもよりますが・・・

運行管理者になるメリット

運行管理者のやりがい

先に述べたように運行管理者の仕事は大変忙しく、責任の重い仕事ですが、配車係の経験者に仕事のやりがいについて尋ねると、皆、自分の力量で会社を回していく醍醐味が運行管理者の仕事にはある、といった答えが返ってきます。

業務の円滑な遂行、ドライバーの安全、これらを守らなければならない運行管理者は本当に大変な仕事ですが、運送業というインフラを支える仕事であるという誇りが彼らのモチベーションになっている事は間違いありません。

運行管理者の需要と将来性

運行管理者は国家資格であり、設置基準がありますので、ニーズは常にあります。昨今のコンプライアン遵守、働き方改革による流れもあり、運行管理者の立ち位置も一層高まっていく事は間違いありません。

運送業界は通販の拡大もあり、ここ数年来売り手市場ですが、この傾向は今後も続くものと思われます。車両数を増やすとき、新規で事業所を立ち上げる時に、必ず必要になる運行管理者は将来性のある有望な仕事と言えるでしょう。

長く働くことができる

運行管理者はドライバーやリフトマンのような現場仕事ではなくデスクワークの仕事ですので、体力的な負担が少なく長く勤める事ができます。

何より運送会社では運行管理者を将来の幹部候補としているところが多く、ドライバーからのステップアップとして、運行管理者はもってこいのポジションになります。

現場を知っている運行管理者は運転手の気持ちがわかり、その指示も的確です。運転手も納得して働く事ができ、仕事がうまくまわります。逆にそのあたりがわかっていなければ、苦労するかもしれません。

まとめ

運行管理者は国家資格を取得しなければ、その仕事に就く事ができない専門的な仕事です。運行管理者がしっかりしていなければトラックドライバーは安心して荷物を運ぶ事ができません。

そういった意味でもこの仕事は大変やりがいのある仕事だと思います。

運行管理者は高額な年収をもらえるわけではありませんが、将来の役職候補として長い目で見ていけば、その未来はとても有望であると言えます。ぜひチャレンジしてみて下さい。

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