2tトラックの走行距離の寿命はどのくらい?寿命が近いサインの見分け方
自動車に長く乗っていると、月日が経つにつれて給油の頻度が増えていくものです。そうなったときは車が寿命であることを察して、買い換えの検討を始めますよね。トラックも自動車の一種ですから、当然寿命が存在します。
今回は2tトラックの走行距離と寿命との関係や、走行距離が長くなったときに出てくる症状、トラックを長く使い続けるためのメンテナンス方法などについて解説します。
2tトラックはどれぐらい走れるの?
そもそも、トラックはどのくらいの距離を走行できるのでしょうか。2tトラックの場合、走行距離の限度は20万キロ程度であるとされています。
業務の都合によって運用のしかたは様々ありますが、一日に走る距離は数十~数百キロでしょうから、業務用といえどもそう頻繁に買い換える必要が生じるものではないと言えますね。
ちなみに、中型トラックの走行距離は約40万~50万キロ、大型トラックなら70万キロほどまで走ることができます。
2tトラックの耐用年数は3年
減価償却できる資産には耐用年数が設定されています。トラックの場合はサイズによって法定耐用年数が異なるのですが、積載量2t以下のトラックの耐用年数は3年と決まっています。
つまり、2tトラックは3年かけて減価償却することになるわけですね。走行距離が20万キロであることは既に述べたとおりです。
一日数百キロ走ると考えると、3年という耐用年数の設定は概ね妥当なところだとわかりますね。なお大型トラックではどうなっているのかというと、耐用年数5年と定められています。
走行距離が長くなると…
走行距離の限界に近づいてくると、車体のあちこちにトラブルが生じてきます。どのような症状が出てくるのか、いくつか例を紹介しましょう。
オイル漏れ
走行距離の多くなった車はオイル漏れを起こしやすくなる傾向にあります。また、漏れていなくともオイルの減りが早くなります。
ピストンリングが摩耗したり固着したりすることによって、エンジンオイルが一緒に燃えてしまうためです。
原因はどうあれ、オイルが不足したまま走行すると、最悪の場合エンジンが焼け付いてしまいます。オイル交換のサイクルが早くなったと感じたら、車の寿命を疑ったほうがよいでしょう。
足回りの不具合
トラックに長く乗っていて、乗り心地が悪くなったと感じたことはありませんか? 以前よりも振動をきつく感じたり、異音が聞こえてきたりといった症状が出ることがあります。
これは、足回りに不具合が起きていることが原因。サスペンションやショックアブソーバーは走っているうちに劣化していきます。また、ゴム部品やベアリングのオイルも同様です。
ラジェーターの詰まり
ラジエーターとは冷却器のことで、冷却液を冷やすための装置です。熱くなったエンジンを冷ますために冷却液を循環させるのですが、
エンジン内を通った冷却液は当然ながら温度が上昇するため、それを再度冷やすためにラジエーターがあるわけです。
走行距離が多くなってくると、このラジエーターが詰まることがあります。冷却液が劣化によって固形化したり、水垢や錆が浮いたりといったことが原因です。経年劣化の一形態と言えるでしょう。
トランスミッションの異常
変速時にショックを感じたり、なかなか速度が上がらなかったりといった症状は、トランスミッションの異常が原因です。
エンジンからのパワーを常に受けているトランスミッションは、車の中でも大きな負担がかかっている部分です。部品の摩耗や破損によって経年劣化が進みやすく、走行距離が長くなってくると交換の必要が生じます。
2tトラックの寿命を延ばすためには
寿命を迎えたトラックがどうなるかは理解していただけたと思います。そこでここからは、トラックの寿命を延ばすための方法について説明していくこととします。
定期的なメンテナンス
長く走行したトラックが各部に不具合を抱えるようになることは先述のとおり。したがって、トラックの寿命を延ばすには、劣化したパーツを交換するなどしてメンテナンスを施してやる必要があります。
エンジンオイルやエレメント、エアフィルター、ラジエーターホースなど、消耗した部品を定期的に交換して、トラックをよい状態に保つようにしましょう。
オーバーホール
エンジンのオーバーホールを行うのも、トラックの寿命を延ばす有効な方法の一つです。
オーバーホールとは、エンジンを一旦解体して摩耗した部品を新しいものに交換したり、内部の掃除を行ったりした後に再び組み立てることの意味。
オーバーホールはプロの整備士でなければ難しいため、トラックを整備業者やディーラーに一度引き渡す必要があります。
整備業者で作業を行ってもらう場合の工賃は30万~70万円ほど、ディーラー経由であれば50万~200万円ほどとなっています。
10~15年が一つの目安
走行距離からトラックの寿命を測る場合の目安は20万キロほどなのですが、現実には2tトラックは地場の配送を中心として運用される場合が多く、そこまで走らないうちに寿命を迎えてしまうことも珍しくありません。
地場の仕事が中心であれば、走行距離だけを見るのではなく、使用年数も考慮に入れたほうがよいでしょう。使用年数に関しては、10年~15年というのが一つの目安となります。
こまめなメンテナンスで20万㎞以上も可能!
トラックが実際に走行できる距離は、日頃からのメンテナンスを怠っていないかどうかで変わってきます。
自動車はいくつもの部品が組み合わさってできており、一つの部品が劣化したまま走っていると、他の部品への負担が増して故障が早まってしまうのです。
そのため、こまめに部品の交換やメンテナンスを行ってやる必要があります。車を常によい状態に保っておけば、20万キロを超えても走行することができるでしょう。
まとめ
2tトラックは走行距離20万キロほどで買い換えの時期を迎えますが、日頃からのメンテナンスで車をよい状態に保っておくことで寿命を延ばすことも可能です。
不調のサインが出てきたら点検や部品交換を忘れずに行うようにしましょう。