大型トラックの制動距離とは?制動距離を抑制するための方法

ブレーキを踏んでから完全に車が停止するまでの距離を制動距離と言いますが、普通は車体が大きくなるほどその距離は伸びていきます。大型トラックにもなるとかなり長い制動距離となるために注意しておかなければならないのです。

そこでここでは大型トラックの制動距離について紹介していきたいと思います。

普通車と大きく違う大型トラックの制動距離

積載量によって変わる

制動距離は走っている車の速度や積載している荷物の量によって大きく変わります。簡単に言えば「スピードが出ているほど」「荷物をいっぱい積んでいるほど」制動距離は長くなります。

小型トラックでも荷物を満載していればかなり制動距離は延びるものですが、大型トラックともなると積載している荷物が何tにもなりますので、かなり制動距離は延びることになるのです。

路面状況に大きく左右される

また、制動距離は路面の状態によっても大きくかわります

固いコンクリート、砂利道、雪道ではまったく違ったものになりますし、カラカラに乾いている、雨などで濡れている、路面が凍結しているといった路面状況によって大きくかわってきます。

いつも同じ感覚でブレーキを踏んでいると同じ距離では止まれないということになるのです。

制動距離の計算方法は?

制動距離の計算方法は、「制動距離=速度(m/秒)の2乗÷(2×9.8×摩擦係数)m」となります。

ここでいう摩擦係数は路面によって違っています。アスファルトで0.7、濡れているアスファルトであれば0.5前後、雪であれば0.15という感じです。

例えば

時速60kmでアスファルトの道を走っている場合

(60000m/3600秒)×2乗÷(2×9.8×0.7)m=20.2

となりますので、ブレーキが利き始めてから約20mは停止するまでに進むということになるのです。

大型トラックの制動距離を抑制するには?

スピードを出しすぎない

計算式を見ればわかる通り、やはり基本になるのは速度です。スピードを出していればいるほど停止するまでの距離が延びることになります。

スピードを出し過ぎていると急ブレーキをかけても間に合わないというのはこういった理由によるものです。スピードを出し過ぎないことが重要と言えます。

積載量を守る

何も荷物を載せていない状態と荷物を満載している状態だとかなり制動距離は違ってきます。ただ、最大積載量を守っていれば予想外に延びるということはありません

しかし過積載の状態だと車体の能力を超えている状態になるためにブレーキも正常に能力を発揮できず、制動距離は延びることになります。

タイヤの空気圧や溝

タイヤの空気圧が正常値でない場合、例えば空気が足りていないもしくは入り過ぎている状態だと地面との接地面積が変わってきますし、車体のバランスもおかしくなってくるために制動距離がズレてくることになります。

また、タイヤの溝がなくなっていると摩擦抵抗が変わってくるために制動距離は延びることになります。どちらも点検をした際に正常な状態か確かめておきましょう。

季節ごとに専用タイヤを使用

例えば雪が降っているときにはタイヤにチェーンを巻いたり、スパイクタイヤに変えるということをします。これはその路面の状態に合わせてタイヤを変えることで正常に摩擦力を生み出すというためです。

雪道や路面が凍結しているところを通常のタイヤで走っているとブレーキを踏んだ際に正常に摩擦が生まれずに滑ってしまうことがあります。こうしてスリップしてしまうと大きな事故につながる可能性があります。

よそ見運転をしない

よそ見運転、わき見運転をしているとブレーキを踏むタイミングが一瞬遅れます。タイミングが遅れた分だけ本来止まる位置よりも進んでしまうことになります。

常に制動距離を考えた運転が必要!

普通車であっても制動距離は重要になってくるものですが、車体が大きく、積載量も多い大型トラックでは制動距離がかなり長くなるために常に意識して運転する必要があります。

路面の状態などを考えた上で、制動距離を計算して運転するようにしましょう。

まとめ

  • 路面の状態
  • タイヤの状態
  • 積んでいる荷物の量
  • 出しているスピード

などを正しく把握していると制動距離が予測できるようになります。点検をしっかりと行い、法令を遵守して安全に運転をするのが重要なのです。

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