トラック運転手の睡眠時間どれくらいが平均?事故の原因になるため、しっかりと睡眠を!
大型トラックと言えば長距離運転というイメージがあります。長距離ドライバーは走行している時間が昼間だったり夜間だったりすることもあって不規則な勤務時間になりがちです。
その分、睡眠時間も不規則になったり不足したりすることがあります。そこでここではなぜ睡眠時間が不足するのか、不足するとどういったことが起こるのかについて紹介していきます。
トラック運転手の労働時間について
トラック運転手の労働時間には厚生労働省が制定している「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」が適用されています。
ここで簡単に紹介していくと、
- 15時間以上の拘束は法律上週に2日まで
- 1カ月の拘束時間は293時間まで
- 1年間のトータル拘束時間は3516時間以内
- 運転手が連続で運転できるのは4時間まで、4時間以上走った場合は30分の休憩をとること
- 運転時間は2日間の平均で9時間が限度とする
といったことです。ちなみにここでいう拘束時間とは「運転時間+休憩時間等」を指します。
働き方によって睡眠時間は変わる
大型トラックドライバー
大型トラックの中でも特に長距離のドライバーは勤務時間がもっとも不規則となります。
比較的道路がすいている夜中などに走行することが多く、目的地に着いてから、もしくは途中のサービスエリアなどで睡眠をとることがあるからです。
車内で寝る場合などはどうしても長時間の睡眠を取ることができずに短時間の睡眠になることも多くあります。
中型トラックドライバー
中型トラックは近距離から長距離まで運送することがあるためにその仕事内容によって睡眠時間はバラバラになります。
近郊の決まったエリアでルート配送などを行う場合は勤務時間も規則的になってきますが、長距離の場合はどうしても不規則な時間になってしまいます。
小型トラックドライバー
小型トラックのドライバーの場合は比較的決まったエリアを配送するエリア配送であったり、決まったルートで配送していくルート配送が中心となります。
そのため勤務時間は規則正しい時間になりやすく、睡眠時間は安定してとることができます。ただしコンビニなどに早朝配送する場合などは早起きすることになります。
トラック運転者が睡眠不足と言われる原因
顧客への対応
トラックドライバーは荷主、もしくは会社の指示によって配送することになります。荷主が時間を指定してきた場合などはそれに合わせなければならないために毎日必ず決まった時間が勤務時間になるとは限りません。
勤務時間が不規則になるために決まった時間に睡眠を取ることができず、結果として睡眠不足になってしまうことがあるのです。
道路状況に左右される
道路は常に同じ交通量というわけではありません。すいている時と渋滞している時では当然かかってくる時間、運転する時間は変わってきます。
また、晴れている日、雨の日、雪の日などによって混み具合は変わりますし、路面の状態も違ってきます。さらに道路工事や災害などによって状況は変わってきます。
この「常に一定ではない」という状況が勤務時間をバラバラにする原因となるのです。
無理な配車
これは会社や企業に属している場合に起こることですが、事業者が自社の利益のためにドライバーに過酷な勤務を強いる場合があります。
通常よりも長い勤務時間であったり、不規則な時間の勤務、突然の呼び出しなどによってドライバーの睡眠時間が確保できなくなることがあるのです。
睡眠不足が続くと…
漫然運転
睡眠時間が充分に取れていない状態で運転していると、慣れと経験で走行はできているものの集中できていないまま運転をしているという状況になります。
この状態での運転は事故や集配ミス、信号無視などの交通違反などさまざまなトラブルを起こす原因となります。
ひどい場合は意識がもうろうとしたまま運転をしているということもありますが、これは非常に危険なことなのです。
事故
意識がはっきりしないまま運転していると集中力が低下しているために普段であれば防げたような事故を起こす場合があります。
アメリカの調査によって睡眠時間が他の人よりも1時間少ないドライバーは事故を起こす確率が2倍になるという結果が出ています。
調査結果参考:https://www.cnn.co.jp/fringe/35093335.html
日本でも睡眠時間が5時間以下のドライバーは他のドライバーと比べて事故につながる「ヒヤリ・ハット」体験が2.3倍起こるという結果が出ています。
調査結果参考:http://healthpress.jp/2016/12/45434115_2.html
集配ミス
集中して運転をしていないために道を間違えたり、集配に行くことを忘れたり、荷物を積み間違えたりするということもあります。
これらは睡眠時間が足りていないということが原因で集中していないまま運転していることが原因なのです。
運行管理の徹底で労働環境は改善傾向に!
以前はトラックに限らずバス、タクシーなどのドライバーが会社から過酷な勤務を強いられて健康を害するということが多くありました。
しかし最近ではそれぞれの事業所に配置している運行管理者や事業所長への改善指示が出ているということもあって労働環境は改善する方向に向かっています。
まとめ
大事な荷物を積んで、大きな車両を運転しているトラックドライバーにとって睡眠不足は安全衛生管理の観点からすると非常に危険な要素となります。
自分自身の健康や他人、他の車などへの影響のためにもしっかりと睡眠時間を確保していきましょう。