トラック運転手が気を付けたい病気とは?エコノミークラス症候群の原因と予防法を解説
どんな仕事にも職業病とも言われる病気がありますが、トラック運転手も例外ではありません。しかし、罹患しやすい病気が分かれば、対処や対策を事前に立てることができるでしょう。
そこで今回は、トラック運転手が罹患しやすい病気について詳しくご紹介していきたいと思います。
トラック運転手特有の病気ってあるの?
トラックの運転手にしか、かからないという特有の病気があるわけではありませんが、トラックの運転手がかかりやすい病気というものがあります。
それは狭い車内で同じ姿勢のまま長時間座っていることが大きく関係しています。そのためトラックの運転手では腰痛や肩こり、頭痛などに悩んでいる人が多くなっておいます。
また、それらの中でも特に注意しなければならないのが「エコノミークラス症候群」です。
トラック運転手が気を付けたいエコノミークラス症候群
その名称は飛行機のエコノミークラスから名付けられています。飛行機のエコノミークラスのような狭い空間で同じ姿勢で座っていることで足の血行が悪くなり、静脈に血栓ができてしまうものです。
血栓ができてしまうとそれだけでさらに血行が悪くなります。そして急に立ち上がった際にできていた血栓が血流にのって肺にたどり着いて肺の動脈をふさいでしまいます。
これが「肺塞栓症」です。また、他にも足がむくんだり痛くなったりもしますし、動悸や呼吸困難を引き起こすこともあります。これらを合わせて「エコノミークラス症候群」と呼ぶのです。
エコノミークラス症候群の原因と予防法について
エコノミークラス症候群が発生する原因として主なものは「運動不足」「同じ姿勢を長時間」「乾燥」といったものがあげられます。
常に運動が不足している人は血流が悪くなりやすくなっています。それだけに血栓もできやすく、病気を発症しやすいのです。
また、エコノミークラス症候群は飛行機だけで起こる病気ではありません。トラックの運転手や長時間のデスクワークなどでも引き起こされます。そしてもう一つが乾燥です。
トラックの中は密閉空間でエアコンなどを使用しているために乾燥しやすい状態になっているため、それも発症の原因となってしまっています。
これらを予防する方法を紹介していきます。まず運動不足については普段から無理のない程度で適度な運動をしていくことが重要です。
基礎代謝が上がり、血行が良ければエコノミークラス症候群にはなりにくくなります。
また、同じ姿勢を長時間とっていることが直接の原因となりやすいので、休憩場所やサービスエリア、荷物の積み降ろし場所などで軽く体を動かしたりストレッチをすることが非常に効果的です。
大きく体を伸ばすのも良いでしょう。乾燥状態が続くと血液の濃度が高くなるために血栓ができやすくなります。こまめに水分をとって血液が濃くなりすぎないようにしておきましょう。
また、コーヒーなどの利尿作用が高い飲み物は飲んでもすぐに体外に排出されてしまいます。それらも含めて絶えず水分を補っていくことがポイントです。
トラック運転手が罹患しやすい病気を理由とあわせて紹介!
脳梗塞やクモ膜下出血
脳梗塞は脳の血管が詰まったり破れたりすることで障害が起こってしまうものです。
梗塞というのは基本的に「ものが詰まる」ということですから、血栓などが血管をふさいでしまってそれから先に血液を流すことができなくなってしまうことです。
脳梗塞やくも膜下出血は「血行が悪い」ということがもっとも大きな原因となります。運動不足や偏った食生活がないかどうか見直しが必要です。
心臓の病気
血行が悪いことは心筋梗塞などにもつながります。こちらも普段からの運動不足や乱れた食生活が血行を悪くしてしまい、そこに長時間同じ姿勢で座ったりすることが直接の原因となって起こってしまうのです。
運動をする、タバコを吸い過ぎない、肥満を解消するといったことが予防になっていきます。特に肥満は血管が狭くなったり、悪玉コレステロールなどで血流を悪くする原因となります。十分に気をつけていきましょう。
椎間板ヘルニア
ドライバーに多いのが椎間板ヘルニアです。こちらもやはり長時間同じ姿勢で座っていることや、荷物の積み降ろしを手作業で行う際の腰への負担などが原因となって起こってきます。
適度なストレッチが予防となります。腰にコルセットなどを巻いておくとかなり負担を減らすことができます。こういったアイテムも有効活用していきましょう。
痔
長時間の運転によって肛門部に「うっ血」が起こり、それが「痔」の原因になることがあります。
つかれ・肝臓が悪い・胃腸が悪い・血液の流れに障害がある・偏食で野菜ぎらい・冷え性などは痔の原因となっていきますので、これらに当てはまるものがある人は先に改善を行っていくことで痔になることを防ぐことができます。
運転手の勤務体系にも原因がある
トラックのドライバーがこれらの病気になりやすいというのは、その勤務体系にも関係しています。特に長距離のドライバーは昼と夜の境目が曖昧で、睡眠時間や食事の時間も不規則になりがちです。
サービスエリアなどでファストフードなどを食べて食事にしてしまうこともあり、栄養分も足りなくなりがちです。
職業上は仕方がないということもあるのですが、会社などのシフトの組み方によって長時間の労働となってしまっていることもあります。こういった勤務体系がドライバーの病気につながっているのです。
生活習慣の改善で予防しよう!
いくらトラックドライバーの仕事が厳しいと言っても生活習慣を改善することで多くは予防することができます。
- 適度な運動
- 喫煙や飲酒を控える
- 睡眠時間の確保
- 肥満の解消
- ストレスの解消
といったことはあらゆる病気の予防となります。これらをこまめに取り組んでいれば、長時間の運転でも、ある程度は防ぐことが可能となるのです。特にストレスは溜まってくるとあらゆる病気の原因となります。
トラックドライバーは積み荷場での待ち時間や渋滞、積み荷主からの無茶な注文などストレスが溜まりやすい職業です。溜めこまないように解消していきましょう。
まとめ
トラックドライバーはその勤務体系の過酷さや勤務内容からさまざまな病気になりやすい職業でもあります。
しかしそれらは対策をとっていくことで大部分は予防することができます。生活習慣に気をつけて病気予防をしていきましょう。