8ナンバーのトラックは税金がお得?8メリットと注意点について解説します
個人で運送業を行っていると、少しでも維持費を節約したいと思うものです。そんな時、ドライバー仲間から「8ナンバーは税金が安くなるらしいよ」とう話を聞くと、どうなんだろうと気になるものですよね。
そこで、8ナンバーにするメリットと注意点についてご紹介したいと思います。
8ナンバーとは何か
8ナンバーの車というとどんな車?と思う人も多いと思いますが、意外と街で見かける事が多い車両です。わかりやすいのは、パトカーや救急車などを想像して貰えば分かりやすいと思います。
自動車の種類は
- 乗用自動車
- 乗合自動車
- 貨物自動車
- 特種用途自動車
の4用途に区分されていますが、8ナンバー車はこの内の特種用途自動車に分類されています。8ナンバー車は税金や保険料などの維持費にメリットがあると言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
8ナンバーのトラック
8ナンバー車というのは、特殊用途使用自動車、その名の通り特殊な用途で使われる車両という事になりますが、8ナンバーのトラックといいますと、どういった車両があるのでしょうか?ここでは身近な8ナンバーの車両を紹介していこうと思います。
街中でよく目にする8ナンバーのトラックは、
- コンクリート作業車(ミキサー車)
- ガソリン等を積んで走るタンクローリー
- ゴミ回収などで使われるパッカー車
などがあります。
8ナンバーの税金・車検・保険
8ナンバーの自動車税・重量税
まずは自動車税ですが、8ナンバー登録ですと、自動車税は総じて2割程度安くなります。重量税に関しては、自家用乗用車は車両重量に、特殊用途車両は車両総重量となっていますので一概に同じ重量の車両を比較する訳にはいきません。
例えば、3ナンバーのワゴン車を改造して8ナンバー登録したとすると、3ナンバー登録時、車両重量、2080㎏ですと自動車重量税は41,000円になります。
これをキャンピングカーなどに改造して8ナンバー登録した場合、車両総重量、2630㎏になったと仮定すると自動車重量税は24,600円になり、自動車税同様、重量税も安くなる事がわかると思います。
8ナンバーの車検
8ナンバーの車検についてですが、8ナンバー車の場合は初回から2年ごとの車検になります。ですが車検期間は車の種類や類型によって違いがあります。ですので、ベースになる車によって8ナンバーを取得する事で車検期間が短くなる場合とそうでない場合があります。
普通乗用車ですと、初回の車検は3年、それ以後は2年ごとになりますので、8ナンバーにすると初回の車検期間が短くなってしまいます。これが貨物自動車ですと、車検は1年ごとですので、8ナンバー化する事で車検の回数を減らす事が可能にはなります。
8ナンバーの任意保険
任意保険の保険料は
- 契約者の年齢
- 保証内容
- 前年の走行距離
- 事故履歴
などによって保険料が決まってきますので、8ナンバーにしたからといって、保険料が安くなるという事はありません。
ここで注意しなければならないのは、8ナンバーの車は任意保険に入りづらいという事があります。
脱税目的の8ナンバー取得の対処として構造要件が厳格化されている事に加えて、保険会社に対して審査を厳しくするように省庁から行政指示が出された事が原因としてあります。
8ナンバー取得のための条件と必要書類
8ナンバーを取得できる車両の条件
8ナンバーを取得するには以下の車両の条件を満たしていなければなりません。
- 「特殊設備が運転席以外にあり、その面積が1㎡以上(軽自動車は0.6㎡以上)あること」「特殊設備の面積が運転席を除く合計床面積の2分の1を超えること」
- 「積載スペースと乗車スペースの間に適当な隔壁又は保護仕切があること(最大積載量500kg以下の場合は、座席の背当てでOK)」
以上の要件を満たした上で必要な書類を揃えたのち、運輸支局か自動車検査登録事務所に自動車と一緒に持ち込んで構造等変更検査を受けなければなりません。
そういった事から8ナンバーを取得するなら単独で受けるよりも、車検と同時に手続きをした方が手間を省けます。
8ナンバー取得に必要な書類
8ナンバー取得に必要な書類は以下のようになります。
- 「車検証」
- 「自動車検査表」
- 「点検整備記録簿」
- 「自賠責保険証書」
- 「認印(手続き代行の場合は委任状)」
- 「申請書(2号様式)」
- 「手数料納付書」
※審査料として1,700円、車検証交付料として400円の合計2,100円 - 「自動車重量税納付書」
- 「自動車税納税証明書」
になります。このように8ナンバー取得には多くの書類が必要とされ、大変手間と時間を要する手続きが必要になります。
「8ナンバーは税金が安い」は本当か
確かに8ナンバーにする事で自動車税、重量税は安くはなりますが、逆に自賠責保険は高くなってしまいますし、任意保険にいたっては加入自体がしづらくなり、加入できたとしても車両保険が付けられないなど、十分な保障内容ではなくなってしまうデメリットもあります。
以前は8ナンバー化にする事で維持費を抑えるメリットがありましたが、不正取得が増加したために今現在では法律が改正され構造要件が厳しくなってしまいました。
ですから改造する手間や費用の事を考えると、8ナンバーを取得するメリットは微々たるものになってしまう可能性が高いです。そういった事から現在では、8ナンバー申請してもあまりメリットがない事がお分かり頂けたかと思います。
まとめ
ここまでは8ナンバーを取得する事にメリットがあるのかどうか?注意点も交えて解説してきました。
今でも8ナンバーを取得すると維持費が安くなるという話を耳にする事がありますが、その話は古いものである事、現在ではあまりメリットがないという事がお分かり頂けたのではないでしょうか。