10tトラックの寸法は?レンタルするなら知っておきたい車体とクレーンのサイズ・特徴
ユニック車の中でも10tトラックはよく使われるトラックです。車体は10tトラックが使われているのですが、実はクレーンの大きさはメーカーによって違います。
そこでメーカー別に寸法をまとめてみたのでご覧ください。
10tユニックの寸法
ここでは10tユニックの寸法をご紹介いたします。
10tユニックの積載量と総重量
10tユニックの最大積載量は10tに限定されたものではありません。9t~11t程度を10tユニックと呼んでいます。
トラック本体は10tトラックが使われていて、車両総重量は20t程度となっています。ちなみに車両総重量のことをGVW(Gross Vehicle Weight)と呼ぶ事があります。
これは一般的なトラックの総重量では使われないかもしれませんが、クレーンメーカーの性能表などに記載されていることがあります。
トラック(車体の寸法)
ユニックの10tトラックには平ボディーが使われていますが、平ボディ―というのは荷台に幌や箱などが付いていないフラットなトラックです。
積み込みする時に邪魔になるものが無く建築資材などを輸送するのに適しています。
10tユニックの土台となる平ボディーの平均的な寸法は、全長が5,100mm、荷台の全幅が2,200mm、そして全高(荷台の高さ)が500mm~730mm程度となっています。
多少メーカーによって寸法が変わることもあるようですが、大きく逸脱して大きいとか小さいということはありません。
ユニック(クレーン)の寸法と性能
ユニックにはクレーンが付いています。このクレーンの部分の寸法を見る場合、クレーン(ユニック)部分の寸法票に記載されている寸法をご覧になると寸法がわかります。
例えば『ブーム段数』ですが、ユニックのクレーンの支柱の部分を『ブーム』と言い、このブームは長さが調節できるようになっています。
例えば3段階と書かれている場合は3段階伸びますという意味です。
ブーム段数は4段階、5段階、6段階と用途によって選ぶことができますが、一般的によく使われるブーム段数は4段階のものです。
また、ユニックの寸法表にはアウトリガ最大張出幅というのがありますが、これは車体を支えるための支柱のことで、例えば足場の悪い現場で車体を支えるために使います。
このアウトリガ最大張出幅は4.2mです。
最大作業幅もメーカーによって違いますが、この寸法はクレーンを使って作業できる半径の寸法です。またブーム段数によって最大地上揚幅が変わります。
10tユニックに使われるトラックの寸法
ここでは10tユニックの土台となっているトラックの寸法をメーカーごとにご紹介いたします。
いすゞ ギガ
いすゞトラックと言えばトラックメーカーとして非常に有名なメーカーです。トラックドライバーの中でもギガは人気のトラックです。
乗り心地が良くて安全性能も高いので長距離の輸送にもよく使われている車両です。強い駆動力が特徴のトラックで、ユニックにもよく使われています。
10tユニックに使われているいすゞの『ギガ』の荷台の長さは5,100mm、荷台の幅は2,490mm荷台の高さは500mm~730mmとなっています。
日野 プロフィア
日野もトラックメーカーの中では老舗のメーカーです。日野自動車といえば1910年創業でしたから、当時の戦後の復興には欠かすことができない乗り物でした。
中でもプロフィアはエンジン性能が良く安全性能の高さで人気です。
燃費も非常によく経費削減を検討しているという方に好まれるトラックです。日野のプロフィアの寸法は、全長9,670mm全幅2,490、全高267mmです。
三菱ふそう スーパーグレート
三菱ふそうと言えば頑丈なダンプのメーカーという印象を持っている方も多いかもしれませんが、大型トラックシリーズのスーパーグレートは安定した走りと燃費性能の良いエンジンで有名です。
他にも安全性能の高さでも定評があります。4つの安全装置が搭載されているので運転中も作業中も安全対策ができるのが特徴でしょう。
三菱ふそうのスーパーグレートの寸法は、全長9,550mm、全幅5,340mm、全高450mmです。
UDトラックス スクオン
元々は日産ディーゼルでしたが業態変更したのがUDトラックスです。現在はボルボの子会社で、ボルボベースのエンジンを搭載しています。
このトラックの特徴は全輪でディスクブレーキを搭載しています。
また、衝突被害軽減ブレーキの他にも4種類の安全装置を搭載しているトラックです。特に安全対策をしっかりと取りたい企業に好まれます。
UDトラックス・クオンの寸法は、全長9,500mm、全幅2,490mm、全高450mmです。
10tユニックに使われるクレーンの寸法と性能
ここでは10tユニックに使われているクレーンの寸法とその性能についてご紹介いたします。
古河ユニック URG500シリーズ
古河ユニックのURG500シリーズは安全性能が高く、ブーム段数も3段~7段まで豊富に取り揃えているのが特徴です。
正確な操作が求められるクレーン作業では、見やすいリモコンはクレーン操作をすることができるので人気です。
クレーン部分の寸法については簡単な表でご説明いたします。
[古河ユニックURG500シリーズの寸法表]型式 | ブーム段数 | 空車時最大クレーン容量 | 最大作業半径 空車時定格総荷重 |
最大地上揚幅 空車時定格総荷重 |
URG507RK | 7段 | 3.93t×3.9m | 17.78m (.13t) |
約20.0m (0.33t) |
URG506RK | 6段 | 2.93t×3.9m | 15.47m (0.23t) |
約17.7m (0.53t) |
URG505RK | 5段 | 2.93t×3.9m | 13.11m (0.50t) |
約15.4m (1.33t) |
URG504RK | 4段 | 2.93t×4.1m | 10.60m (0.83t) |
約13.0m (2.03t) |
URG503RK | 3段 | 2.93t×4.1m | 8.10 (1.23t) |
約10.5m (2.93t) |
タダノ ZX500 series
タダノもユニックのメーカーとしては有名です。ZX500 seriesは安全性能を高めるための安全装置を標準装備したクレーンで、かつ強度そして安定度が高いクレーンとなっています。
特に安定性が高いのは作業者にとって一番安心感を与えてくれます。
クレーン部分の寸法については簡単な表でご説明いたします。
[タダノ ZX500 seriesの寸法表]型式 | ブーム段数 | 空車時最大クレーン容量 | 最大地上揚幅 (空車時定格層荷重) |
最大作業半径 (空車時定格総荷重) |
ZX505L | 5L段 | 2.93t×3.9m (4本掛) |
約17.5m(0.53t) | 15.47m(0.38t) |
ZX505 | 5段 | 2.93t×3.9m (4本掛) |
約15.2m(1.43t) | 13.12m(0.53t) |
ZX504 | 4段 | 2.93t×4.0m (4本掛) |
約12.7m(2.13t) | 10.58m(0.83t) |
ZX503 | 3段 | 2.93t×4.1m (4本掛) |
約10.3m(2.93t) | 8.09(1.23t) |
カトウ製作所 V500
カトウ製作所のV500は大型車用のクレーンです。カトウ製作所のクレーンはユニックだけではなく、むしろ重機で有名かもしれませんね。
KATOと書かれたクレーン車をご覧になったことがある方はとても多いでしょう。
カトウ製作所 V500のクレーン部分の寸法については簡単な表でご説明いたします。
[カトウ製作所 V500の寸法表]型式 | ブーム段数 | 空車時最大クレーン容量 | 最大地上揚幅 | 最大作業半径 |
V506 | 6 | 2.93×3.9 | 17.6m | 15.47m |
V505 | 5 | 2.93×3.9 | 15.4m | 13.12m |
V504 | 4 | 2.93×4.1 | 13.0m | 10.60m |
V503 | 3 | 2.93×4.1 | 10.5 | 8.10m |
ユニック車の操作に必要な資格
ここではユニック車の操作をするために必要な資格についてわかりやすくお話します。
大型免許
10tユニットの運転をするためには大型免許が必要不可欠です。そもそも10tトラックにユニックがくっついているので、現場まで運転をして到着した現場でクレーンにて作業を行うからですね。
車両総重量が11t以上、最大積載量6.5t以上で、乗員定数が30人以上の車を運転する時に必要な免許で、中型8t免許、普通免許、大型特殊免許のいずれかを取得後3年以上免許期間がある人です。
取得可能な年齢は21歳以上の方です。
小型移動式クレーン運転技能講習
移動式小型クレーンとはユニックや重機のことを言います。現場でクレーンを使って作業を行うためには、クレーン運転に必要な資格を取得します。
吊り上げ荷物の荷重で区分されているので、それぞれ説明いたしましょう。
吊り下げ荷重が0.5t未満の場合『小型移動式クレーン運転特別教育』1t~5t未満の移動式クレーンの運転業務の場合『小型移動式クレーン運転技能講習』吊り上げ荷重5t以上の場合は『移動式クレーン運転士免許』が必要になります。
小型移動式クレーン運転免許は学科と講習を受けて試験に合格すれば取得できます。
玉掛け業務技能講習
玉掛け業務技能講習とは、クレーンで荷物を吊る時のワイヤーやロープ、そしてフックなどの溶ぐの準備や実際に用具を使ってフックへ掛けたり外したりといった作業を行うために必要な資格です。
特に1t以上の能力があるクレーンを操作する時は、吊り上げる荷物が1t以上じゃなくても玉掛けの資格を取得しなくてはなりません。
学科、実技の講習を受けた後に試験を受けて合格しなくてはなりません。
持っている免許によって一部講習が免除になる項目もあります。トータル19時間(最短)で取得することが可能です。
まとめ
今回は10tユニック車の車体寸法とユニック部分の寸法を、各メーカーごとにご紹介いたしました。
さらにユニック車の運転に必要な免許や、操作に必要な免許についてもご紹介いたしました。この記事がユニック車について知りたい方のお役に立てれば幸いです。