大型トラックの車検費用/期間/整備項目 - 安く済ませる方法をわかりやすくご紹介!
大型トラックの車検は普通自動車と同じではなく、その半分の1年間となっているのはご存知でしょうか?
つまり毎年車検を受けなくてはならないのですが、車検の費用負担が大きくなるのは不安の種です。そこで今回は車検の整備項目や車検にかかる費用を抑える方法をご紹介いたします。
大型トラック車検の有効期間
8トン以上の大型トラックの車検有効期間は1年です。普通車だと2年なのに大型トラックはどうして1年間しかないのでしょうか?その理由は簡単です。営業車として毎日走行するからにほかなりません。
また車検を受けるためには車検の受付が期日の1か月前ですので、それを過ぎてしまうと受付ができなくなる事もあります。
だからといって車検が切れた状態で走ってはいけません。運転手だけではなく事業所も厳しい罰則を受ける事になります。
大型トラック車検にかかる費用
ここでは大型トラック車検にかかる費用をご紹介いたします。
法定費用は3種類
大型トラックの車検を受ける時には法定費用が必要になります。法定費用というのは必ず払わなくてはならないものなので、車検にかかる費用を少しでも減らしたいと思っても、この部分を削減する事はできません。
法定費用というのは自動車重量税、そして自賠責保険、そして検査手数料となっています。この3つは車検で最低限支払わなくてはならないものなのです。検査手数料の内容は印紙代や自動車審査証紙などがかかります。
自動車重量税
自動車重量税というのは車両の重量によって変わる法律で定められている税金の事を言います。
たまに自動車税と自動車重量税は同じものなの?と思う方もいらっしゃるようですが、実はこの二つは全く違う税金なのです。自動車税は排気量に対して住んでいる自治体に払う税金です。
一方で自動車重量税というのは車両の重さによって課せられる税金の事で、つまり別々に支払う必要があるという事になるのです。さらに自動車重量税は年数によっても変わります。
検査手数料
検査手数料というのは車検を受ける時に必要な「自動車検査登録印紙」を購入するための代金であったり、「自動車審査証紙」を購入する費用になります。ただし自動車検査証紙は必要に応じて購入するものです。
もし車検が継続であった場合には印紙代が400円、証紙代として1,400円を検査手数料として支払わなくてはなりません。
一方新規の場合だったり構造変更をする場合には、印紙代400円と証紙代1,700円が必要になります。
自賠責
自賠責保険というのは誰もが加入しなくてはならない保険です。自賠責保険は万が一事故などを起こしてしまった時、人に対しての保証をしてくれるという保険になります。
人身事故を起こしてしまった場合の人への保証としては最高4,000万円が支払われます。また要介護や重度後遺障害がある場合にも最高4,000万円が必要になります。
死亡した場合は3,000万円が支払われます。治療代や休業補償と慰謝料として120万円です。ここでわかるのは自賠責保険は対物保険ではないという事です。だから任意保険にも加入しなくてはならないのです。
整備費用
整備費用も必ず必要になるものです。車検を受ける時には車両点検整備が必要になるので、このための費用も用意する必要があります。点検整備費用についてですが、いくらと決まっているわけではありません。
この部分は点検整備を依頼する場所によって変わってくるものなのです。なのでできるだけ安いところを探して整備費用を安く抑える工夫をしてみても良いかもしれません。
大型トラックの整備項目
ここでは大型トラックの整備項目について簡単に解説いたします。
外周検査
この検査はトラックの外周、つまり見える部分についている装置などがちゃんとに整備されているかや、不備がないかなどについてを調べる検査です。
例えばライトですがヘッドライトの場合だとハイビームになるかやスモールライトは点くかなどですね。バックライトやウィンカーや車内ランプの点灯も検査の対象です。
さらにワイパーがちゃんとに動くかどうかや、ワイパーブレードが劣化していないかどうかについても検査の対象となります。
ウォッシャー液も補充しておきましょう。タイヤの状態も重要です。減り具合についても検査されます。
トラックは車体番号についても調べます。エンジン周辺についても検査しますしオイル漏れがないかどうかについても検査します。
ブレーキ検査
ブレーキは非常に重要な部分です。前輪ブレーキの調子が良いかどうかや後輪ブレーキの状態についても調べます。
ブレーキの効きがあまいと止まらなくてはならないのに止まれず、事故を起こしてしまう事もあるからです。
様々なチェックを経て、前輪と後輪の双方の状態が良くないと車検は通りませんので、ブレーキの効きのチェックは欠かさず行いましょう。
ブレーキに関わる部品やパットなどの状態も調べておく必要があるでしょう。また関係しているオイルの量や汚れなどが無いかどうかもチェックしておくと良いですね。
分解して調べるわけではありませんが、だからこそキビシイ目で調べられるので車検前の点検の時に入念に調べ、必要があれば交換や調整を行うと良いでしょう。
もちろんサイドブレーキも検査の対象となります。
黒煙検査
黒煙検査も行います。この検査は排気ガスを採取して粒子状物質がどのくらい含まれているのかを検査します。
もしも黒煙の量が多いとなると車検が通らない、または通りにくい状況になってしまう可能性があります。そうならないようにするためには常に黒煙を吐き出さないように整備しておく必要があります。
黒煙が出る原因は燃焼系統に問題がある可能性もありますので、エンジンのチェックをしておく必要があるでしょう。例えばエアクリーナーエレメントなどですね。
汚れていないかどうかもそうですが損傷していると十分役割を果たせない事もあるでしょう。また、排気ガスの微粒子の測定なども行います。
特に引っかかりやすい長距離用のトラックは入念に事前にチェックして修繕や交換をしておきましょう。
不正改造とみなされる例
トラックをカッコよく改造して仕事をしたいと思うのもわかりますが、不正改造をしているとみなされると車検が通らない事があるので気を付けましょう。
大型トラックの場合は意外と項目が多いので、トラックが当てはまっているかどうか確認して車検を通します。
例えばリアバンパーを外しているのは通りません。サイドマーカーというのが付いていますが、これを規格外のものにしていても通りません。
またやたらと大きなホーンにしているのもいけません。騒音になり事故につながるからでしょう。
他にもマフラーの角度やたまにあるのですが、荷台に鉄板などを溶接している場合も通りません。これは車両重量が重くなってしまうからですね。
また、こんなドライバーはいないと思いますが、スピードリミッターを外しているというのも車検には通らないので気を付けましょう。
万が一改造していてこれは通らないかも?と思ったら、車検前に改造した場所をノーマルに戻しましょう。
大型トラック車検を安く済ませる方法
ここでは大型トラックの車検をどうすれば安く済ませる事ができるのかについて、わかりやすく説明していきます。
整備項目の整理
大型トラックの車検を受ける時には必ず事前に整備を行う必要があります。その時になって慌ててしまわないようにするためにも、普段から点検や整備を行っておくと良いでしょう。
また、大型トラックは特にデコレーションしたりちょっとした改造を施したいと思うものです。
もちろんあからさまに違法改造をしてはいけませんが、毎年車検を受ける事を考えたらすぐに元に戻せる程度の改造にとどめておく事も必要でしょう。
毎年受けなくてはならない事なので、整備項目を頭に入れておくと良いでしょう。
今回ご紹介した整備項目については必ず調べられる事なので、特に重点的に整備や点検をしておくと余計な出費を抑える事もできますし、仕事に支障がくるような事も無いでしょう。
ユーザー車検
大型トラックは毎年車検を受けなくてはならないので費用が大変です。乗用車のように2年に1度であれば金額的にも余裕があるのかもしれませんが1年だと費用がバカになりません。
そこで普通乗用車のようにユーザー車検で経費の節約をする事も検討してみると良いかもしれません。この方法だと車検の全てを委託するよりもかなり費用を削減する事ができます。
ユーザー車検は自分でできるところは自分で行うため、車検代行手数料、完成検査料、車検更新手数料などを節約する事ができます。
この方法で車検を受ける事によって費用がおよそ10万円程度で受ける事が可能になります。少し面倒で陸運支局などへ足を運ばないとなりませんが、空いた時間に行う事ができるので不備が無ければ一回で済む事です。
減トン
大型トラックの中には増トンしている車両もありますよね。増トンすると車検の時にかかる重量税が高くなってしまいます。
それだけ多くの荷物が積めるのでメリットの方が大きいと考える企業も実際にいるのは事実です。
ですが増トンしたトラックを減トンする事によって、車検にかかる費用を削減する事ができるとしたらどうでしょうか?
その理由は減トンする事で最大積載量を減らすことができるのです。また、最大積載量によって自賠責保険も変わってきます。
また、減トンの目安は2トンずつです。これは自賠責保険が2トンで保険料が変わってくるからです。このように減トンをして車検にかかる費用を削減する事も可能だという事を頭に入れておくと良いでしょう。
刑務所車検
皆さんは刑務所で車検を受けるという事をした事がありますか?実は刑務所では様々な職業訓練を受けて出所後の更生を後押ししています。
そして刑務所内では通常の車検を受けるよりも安く受ける事ができるのです。職業訓練のお手伝いができて車検費用を安く抑える事ができるので、運送業界では特に人気の車検の受け方となっています。
ただし職業訓練で車検を受ける事ができるのは日本全国で8か所しかありません。会社の近くに刑務所があるのならそこで受けるのもおすすめです。
車検をお願いできる刑務所は「川越少年刑務所」「市原刑務所」「府中刑務所」「松本少年刑務所」「神戸刑務所」「名古屋刑務所」「函館少年刑務所」「盛岡少年刑務所」です。
まとめ
今回は大型トラックの車検のためにの整備項目や車検にかかる必ずかかる必要経費、そして車検を受けるために整備・点検をしておくべき場所や車検を安くするには?についてお話いたしました。
この記事が大型トラックの車検費用の事で困っているという方の参考になれば幸いです。