大型トラックの正しい運転姿勢とは?腰に負担をかけるNG姿勢に注意!
大型トラック(特に長距離)のドライバーさんにとって、腰痛は悩みの種ですよね。
一度腰を痛めてしまうと、その後も慢性的に続くところなので、気をつけておきたいです。
この記事では、腰痛を抑えるコツと、痛くなってしまった後の対策について解説いたします。
腰痛はトラックドライバーの職業病
腰痛の原因は?
大型トラックの運転手にとって腰痛は宿命のようなものです。その理由としてあげられるのが、大型トラックの運転手は長時間同じ姿勢で運転する事が多いと言う事にあります。これがまず腰に良くありません。
運転から解放されて外に出たとしても、今度は荷物の積み下ろしで、腰に負担がかかります。また職業柄食事が不規則になり肥満を誘発して運動不足になってしまうという事も腰に良くありません。
このように、トラック運転手にとって腰痛になる原因は一つではなく、複数あると言う事が職業病と言われる所以になります。トラック運転手が腰痛になる原因は多分にその仕事の環境にあると言えるのです。
長時間の座り姿勢が腰への負担に
大型トラックの運転手は長時間運転をするため、長ければ3〜4時間座り姿勢でいる事が多いです。どうしても同じ姿勢が続けば腰に負担がかかってしまいます。
その間もトラックは段差や荷物の関係で前後左右に揺れていますので、知らず知らずの内に腰にストレスがかかっている状態になっているといって良いでしょう。
最近ではエアサスやエアシートを導入するトラックが多くなり、乗り心地も格段に良くはなっているのですが、ドライバーの腰痛の解決にはまだ至ってはいないのが現状です。
大型トラックの正しい運転姿勢とは
ヘッドレストの位置
腰痛の予防にはまずは正しい運転姿勢が大切になります。正しいヘッドレストの位置は、まず頭を軽く後ろに当ててみて、一度安全そうな位置にヘッドレストの位置を調整してみましょう。
ヘッドレストの中心部分が後頭部に当たるように調整するのがベストな位置になります。大型トラックのシートは座面の高さを変える事ができるので、もしうまく合わない場合は座面を調整してみましょう。
背もたれの角度は?
まずはシートに深く腰掛けて背中を背もたれに密着させるように座ります。その際、ある程度背もたれは起こすようにしてください。
窮屈に感じるかもしれませんが、こうしておかないと、座っているうちに、お尻が前へズレてしまうため、腰に負担がかかってしまいます。その際の背もたれの角度はだいたい90-100度がベストです。
ハンドルまでの距離
ハンドルまでの距離は背中をシートにつけたまま、両手でハンドルの真ん中付近(両手で9時15分になる位置)を握ります。肩の位置は動かさずに片方の手を12時の位置に握ってみましょう。
この時、肘が少し曲がるくらい、少し余裕ができるくらいの距離でハンドルまでの距離を調節します。
シートベルトで姿勢を正しく
シートベルトは安全上必ず装着しなければならない安全装置ですが、腰痛予防にも役に立ちます。背筋をしっかり伸ばし、背中をシートにしっかりつけて、シートベルトでシートに体を密着させる事で、姿勢を正す事ができます。
最近ではシートベルトの装着率が高く、ほとんどの運転手がシートベルトをしめていると思いますが、安全だけでなく、腰痛予防のためにもしっかりシートベルトをするようにしましょう。
腰痛の原因となる運転姿勢
猫背
腰痛を誘発する原因として猫背の姿勢で運転する事が挙げられます。猫背の姿勢だと、どうしても腰ばかりに重心がかかってしまい腰痛を起こしやすくなってしまいます。
また、猫背の状態で長時間運転していると、腰痛だけでなく、肩凝り、目の疲れも引き起こしてしまいます。
この猫背にならないためには、背筋をしっかり伸ばして、シートの背もたれに背中をしっかり密着させて猫背にならないように、常に正しい姿勢を意識する事が大事になります。
ひじかけ運転
最近のトラックには疲労防止のためにシート横に肘掛が装備されています。確かに長距離を運転していると、この肘掛は大変ありがたい装備なのですが、意外にも腰痛には良くありません。
肘掛を使用していると、どうしても片側だけに重心がいってしまい、正しい運転姿勢を保つ事ができません。運転姿勢が乱れてしまう事が結果的に腰痛の原因になってしまいます。
肘掛は長距離運転にはありがたい装備ですが、それに頼り過ぎず、必要な時だけ使用するようにして、正しい運転姿勢を保つようにしましょう。
足上げ休憩はNG
トラック運転手はどうしても待ち時間があり、その間運転席の中で待機しなければならない事が多くあります。どうしても運転席の狭い空間では窮屈になって多くのトラック運転手がハンドルに足を乗せて休憩、いわゆる足上げ休憩をしています。
実はこの体勢も腰痛には良くありません。どうしても不自然な体勢になり、腰を曲げた状態になってしまうため、長時間このような体勢でいると腰痛の原因になってしまいます。
待機が短時間でベットに横になるまでもない場合は別ですが、待機時間が長引く場合は、ベットで横になった方が腰への負担は少なくなります。
運転姿勢のほかにもできることが
筋トレ
腰痛の原因は何も運転姿勢だけではありません。トラック運転手の場合、なかなか体全体を使った運動ができないため、慢性的な運動不足になりがちです。
そうなりますと、腰まわりに余計な肉がついて体を支える筋肉も衰えるために腰痛になりやすくなってしまいます。できる事なら週末にジムにでも通って筋トレをする事をおすすめします。
ジムにまで通わなくても1日15分位、腹筋や腕立て伏せなどをすれば、腰痛予防にとても有効になります。是非実践してみて下さい。
休憩時間にストレッチ
トラック運転手の仕事は、どうしても運転時間が長く同じ姿勢で長時間いる事が多くなってしまいます。そうなると、どうしても体が固まってしまって腰にも良くありません。
ですので、荷下ろし前に軽くストレッチをしてみたり、休憩時間に体操やストレッチをして少しでも体を伸ばして柔らかくするように心がけましょう。
トラック運転手は運転している時間がとても長い職種ですが、一方で出先での待機時間も結構あります。そういった時間を有効活用して腰痛予防に励んでみてはどうでしょうか。
腰痛予防グッズを使う
現在では様々な腰痛予防グッズが販売されています。腰痛が治らない、また、これから腰痛にならないか心配な方はそういったグッズを使う事をおすすめします。
私のおすすめはシートの上に敷いて使う腰痛予防のマットや、猫背を正しい姿勢にする背筋ベルトになります。トラック運転手だけでなくデスクワークの仕事をしている方にも腰痛で悩んでいる方は多く、それだけに数多くの腰痛予防グッズが販売されています。
是非自分の体にあった腰痛予防グッズを選んでみて下さい。
まとめ
最近のデータによりますと、腰痛で悩んでいる方は3000万人近くに上ると言われています。トラック運転手にとっても職業病と言われる腰痛ですが、今回の記事が腰痛で悩んでいるトラック運転手の一助となれば幸いです。