デジタコ(デジタルタコグラフ)の使い方を詳しく解説!
トラックやバスといった輸送車にはデジタコという装置が装備されています。
デジタコは運転状況の把握や労働時間の把握に役立つ装備ですが、操作を行うのはドライバー本人です。今回はデジタコの基本的な操作についてご紹介していきます。
デジタコって何?
まずはそもそもデジタコってどういうものなのかについてをご紹介いたしましょう。デジタコというのは運転記録を行うものです。
昔は丸い紙で作られたものをセットして使用していましたが、最近ではそれがデジタル化された事でデジタルタコグラフ→デジタコとなったのです。
デジタコは「走行距離」「速度」「時間」「運転状況」を記録する事が可能です。タコグラフを見るとドライバーがどこで何時何分に何をしていたのかがわかります。
ちなみにタコグラフは2015年4月以降は4tトラック以上の車両に装着が義務付けられています。
デジタコの必要性
どうしてデジタコなんて必要なのか?運転手からしたらこれほどめんどくさいものは無いと思われるかもしれません。ですがデジタコを装着する事によってドライバーにとっても有益な情報を提供する事ができるのです。
例えば運転時間が長時間になると疲労がたまり、その結果大きな事故を起こしてしまう事が考えられるのです。
つまり過酷な労働を強いられていればすぐにわかりますし、事故率が減って健全な労働ができるようになるのです。他にも業務の効率化が可能となったりコストの削減にもつながります。
デジタコはどうやって使うの?
ここではデジタコをどのようにして使うのか?その基本的な情報をご紹介いたします。
操作はリモコンかタッチパネル
最近のデジタコはとても操作性が良く、誰でも一目でどうすれば良いのかがわかるようになっています。
リモコンが付いているものも多いので、積み込みを行う時に積み込みや荷下ろしのモードを選択すれば良いだけです。
さらに輸送を行う時いもリモコンで走行中のモードを選択します。さらにトイレや食事などをとるときにも休憩モードを選択しなくてはなりません。
意外と細かくモードがあるので、例えば荷待ち時間がある時にもボタン一つで設定ができます。リモコンが無いタイプであってもタッチパネルになっているものも多いので、初心者の方でも簡単に直観的に操作ができるでしょう。
運行開始から運行終了までの流れ
では一日の運行開始から運行修了までの流れを簡単に説明していきましょう。まず運行開始する前にメモリーカードを挿入しましょう。次に運行開始ボタンを押して運行を開始します。
積み降ろしの時には積み降ろし開始のボタンを押しましょう。積み降ろしが終わって営業所に戻ったら帰庫運行修了ボタンを押します。もしも間に休憩をとる時には休憩を推しましょう。
もしも積み込みの時に車が来ないなどのトラブルが起こって待たなくてはならない時は、待機ボタンをおしておきます。
業務によっては積み下ろしが終わったら別の場所へ行って積み降ろしをする事があるでしょう。この場合も積み降ろし開始ボタンを押します。これが一連のデジタコの操作のやり方です。
デジタコの設置は義務化されている
先ほど少し触れましたが輸送トラックやバスにはデジタコの装着が義務付けられています。実はトラックの事故が非常に多くなったため、国がデジタコの導入を義務付けたのです。
義務化となったのは2014年の12月1日です。貨物自動車運送事業輸送安全規則を改正しました。
当時は最大積載よ5t以上のトラックまたは車両総重量8t以上でしたが、2015年4月1日に車両総重量7t以上または最大積載量4t以上のトラックにも義務化されたのです。
それまで近距離で活躍していた中型トラックが長距離運送で利用されるようになったためなのですが、この制度の改正によって大きな事故が減少した事を考えると、デジタコは事故の軽減のためにも必要なものであるという事がわかりますね。
メリットの多いデジタコ
ここではデジタコのメリットについてご紹介していきます。
無駄の少ない配車
デジタコのメリットの中で、配車の無駄が少なくなるというのがあります。これはどこにどの車がいるのかを会社が把握する事ができるためで、荷主が現れた時に近くの車をすぐに呼び出す事ができるからです。
結果的に遠くの車をわざわざ配車する必要が無いため、無駄のない配車が改善されてコストの削減にもつながっていくのです。
運行時間の把握
デジタコを装備している事によって一日の運行時間の把握が可能になります。これによって昔行われていた日報に頼ることなく簡単に運行時間を把握することができるのです。
その中で無駄な部分を軽減させる工夫もできるようになります。例えば渋滞に捕まってしまう時間帯を把握できたり、スムーズに運行ができる道をさがしたりする事も可能になります。
ドライバーの安全意識の向上
デジタコには急発進や急ブレーキといった動きも把握できますし、走行中の速度などについても把握できるので、自分の運転の癖などを知る事ができます。
自分では安全運転をしているつもりでも意外とスピードが出過ぎていたりするものです。そうした事実を把握する事ができるので、自然と安全運転しなくては!という意識につながっていくのです。
燃費の向上
急ブレーキや急発進をすると当然それだけ燃料がかかります。こうした運転の癖を把握して直す事によって燃費の向上ができます。これも運行状況が把握されているからこそのメリットでしょう。
それに急ブレーキや急発進を改善するだけではなく、スピードの出し過ぎの抑制にもつながり、結果的に燃費の良い走りを実現できるようになるのです。
経営者と運転手どちらにもメリットがあるデジタコ
デジタコは基本的にドライバーの命を守るためであったり、長時間労働の抑制のために装着されているのですが、実際に装着してみるとドライバーだけではなく会社にとってもメリットがあるものなのです。
ドライバーの事故が減れば修理にかかる費用も抑えられますし、事故の少ない事業者として高評価を得る事にもつながります。また、ドライバーの健康状態も保てるので仕事を休んだり辞めたりといった事も軽減されます。
万が一ドライバーが事故を起こしてしまったりした場合、免許停止処分を受けて人材の確保が難しくなってしまう事も考えられます。これらを防ぐ事は企業全体にとって非常に重要な事なのです。
まとめ
今回はデジタコの使い方についてご紹介いたしました。操作が簡単であるという事や初心者の方でも簡単に使う事ができるという事、この記事がデジタコを導入する事によるメリットや使い方が知りたい方の参考になれば幸いです。