2トントラックのタイヤサイズは車種によって変わる!タイヤ表記の見方とは?
2トントラックのタイヤは定期的に交換しなければならず、トラックの維持費として大きな割合を占めています。そのため、少しでも費用を抑えようとタイヤを自分で購入しようと思う方も多いですよね。
そんなときに気になるのがタイヤのサイズ。自分の乗っているトラックのタイヤの規格がわからなければ、どのタイヤを買っていいのかもわかりませんよね。
そこで今回は、タイヤに表記されている英数字の意味やタイヤの選び方について紹介していきたいと思います。
トラック用タイヤの交換時期の目安
まず基本的なこととして、トラックのタイヤを交換すべき時期をどのように判断すればよいのかを押さえておきましょう。
スリップサイン
結論から述べると、「スリップサイン」という印を確認すればタイヤの交換時期を見極めることができます。
タイヤには溝が彫られていますよね。溝は走行距離がかさむほど摩耗して浅くなっていくのですが、それが一定の浅さに達するとスリップサインが見えるようになります。
スリップサインが見えたらそのタイヤはもう走行限界というわけです。ちなみに溝の深さは全てのタイヤでほぼ共通しているのですが、スリップサインの位置はタイヤの用途ごとに異なっています。
トラック用のタイヤの場合、小型トラック用であれば残り2.4mm、大型トラック用であれば残り3.2mmの位置がスリップサインを入れる基準であると言われています。
トラックは車体が大きいこともあって、走行限界を見逃すと安全に運転できなくなるおそれもあり大変危険です。
日々点検していく中でタイヤが摩耗してきたと感じたら、タイヤの残りがスリップサイン位置に来ていないかどうかを確かめてみましょう。
偏摩耗
スリップサインに達した以外でタイヤを交換すべき場面としては、タイヤが偏摩耗を起こしているケースが挙げられます。
偏摩耗とは、道路条件や使用条件などによって、タイヤのトレッドが部分的に著しく摩耗する現象のこと。タイヤの一部だけが極端に摩耗するため、走行中車体のバランスが安定せず振動や騒音の原因になります。
また、偏摩耗はタイヤ自体の寿命も縮めるほか、排水性が悪くなるなどタイヤ本来の性能を発揮できなくなるという悪影響もあります。
偏摩耗を起こしていることを確認したら迷わずタイヤを交換しましょう。
2トントラックのタイヤサイズは車種で違う
同じ2トントラックでも、どのようなタイプの車両に乗っているかによって装着するタイヤのサイズが変わってきます。
2トントラックには低床タイプや高床タイプ、ダンプなど様々な車種があり、それぞれ用途が異なります。そのため使われるタイヤの種類にもバリエーションがあり、それぞれ材質や溝の形状、空気圧などが違っているのです。
合わないタイヤを買ってしまうと減りが早いなどの不具合が出たり、そもそも装着できなかったりといった事態が起こり得ます。
自分でタイヤを交換する際は、乗務しているトラックに合ったサイズのタイヤを選ぶようにしましょう。
交換予定タイヤのサイズ表記を確認しよう!
タイヤのサイズ表記には複数の項目があり、いずれも数字やアルファベットが並んでいるため、あらかじめ知識を仕入れていないと意味を読み取れないことも考えられます。
それぞれどのような指標なのか見ていきましょう。
タイヤ幅
まずはタイヤ幅です。文字通り、タイヤを進行方向の正面から見た場合の横幅を表しています。たとえばサイズ表記が「195/75R15」という表記なら、先頭の「195」の部分がタイヤ幅。
そのタイヤの横幅は195mmあるという意味です。ちなみにこの場合、195は「イチ・キュウ・ゴ」と読みます。
扁平率
次に扁平率です。これは「タイヤの幅に対してサイド部分の長さが何%か」を表す指標で、先の「195/75R15」の例で言えば「75」の部分が扁平率の表記です。
この場合、タイヤ幅195mmに対して扁平率75%と読めますから、このタイヤのサイド部分は146.25mmであると読み取れます。
R
Rは「ラジアル」と読みます。「ラジアル構造」のタイヤであるという意味です。中心から放射状に配置されたカーカスををベルトで締めつけた構造のタイヤのことで、現在流通しているタイヤはほとんどこのタイプです。
ちなみに、ラジアル構造以外に「バイアス構造」のタイヤもあります。バイアス構造というのは、斜めに配置されたカーカスを複数重ね、それをブレーカーで締めつけた構造のこと。
バイアスタイヤは大型トラックで使われます。乗務しているのが2トントラックであれば、使われているのはラジアルタイヤと考えてよいでしょう。
ロードインデックス
ロードインデックスとは「負荷能力」のこと。指定された空気圧でタイヤ1本が支えることのできる重量を示す指標です。
たとえば前述のサイズ表記の後ろに、さらに「123/122L」と書かれていたとしましょう。この場合、123が単輪(タイヤを片側に1本装着した状態)でのロードインデックスということになります。
なお、トラックの積載能力を考えればわかることですが、ロードインデックス123とは「123kgまで支えられる」という意味ではありません。
123とはあくまでもロードインデックスの規格に基づく表記です。ロードインデックス123のタイヤが実際に支えられる重量は1,550kgですので注意してください。
ロードインデックス複輪
前述の「123/122L」の「122」の部分は覆輪でのロードインデックスです。
ちなみに覆輪というのは、片側に2本のタイヤを装着した状態のこと。トラックのリアタイヤは複輪になっていることが多いため、トラックドライバーなら気にかけておくべき項目だと言えるでしょう。
L
Lというアルファベットは速度記号です。速度記号とは、ロードインデックスで示された重さで負荷のかかった状態で走行できる最高速度を表すもの。Lの最高速度は120km/hです。
表記通りのタイヤを選ぶことが望ましい
扁平率や外径の異なるタイヤを装着することはできるのでしょうか。結論から言えば、装着することは可能です。
ただし、扁平率の異なるタイヤを使うとギャップを多く拾ってしまうことになるため、乗り心地が悪くなったり荷物に悪影響が出たりといった危険性が伴います。
また外径を変更した場合、あまりにも程度が著しいとタイヤとフェンダーとの隙間が少なくなって、車検に通らなくなるおそれもあります。
リスクのある話ですから、やはり原則的にはもともと装着されているタイヤ表記と同じものを選ぶのがベスト。タイヤ表記をしっかりと把握しておくに越したことはありません。
2トントラックのタイヤ交換の費用について
自分で交換するのではなく、整備工場などで交換してもらう場合にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
当然ながら業者によって料金設定がバラバラなので一概には言えないのですが、目安としては大きく二通りの基準があります。タイヤ工賃込みの交換費用か、タイヤ持ち込みでの交換費用かという違いです。
タイヤ工賃込みの場合、タイヤ1本あたり約1000円。またタイヤ持ち込みの場合は、タイヤ1本あたり約1500円というのが相場であると言われています。
まとめ
タイヤは車種によって選ぶべきサイズが違うため、事前に何も確認していないと買ってしまってから後悔することになりかねません。
自分の乗っている2トントラックのタイヤの種類を把握して、適切なサイズのものを選ぶよう心がけましょう。